京都府にお住まいの日本人女性から結婚ビザ申請のご依頼を受けました。
マッチングアプリと通じて知り合った中国人夫との結婚手続きが完了し、日本で一緒に暮らすため、中国人夫の結婚ビザを取得したいという事例です。
このご夫婦は、ご主人が留学ビザで来日し日本の大学に通っていましたが、途中で大学を中退し、在留期限が切れる直前まで日本に滞在していたそうです。また、ご主人は日本での滞在費を稼ぐためにアルバイトを行っていたそうですが、週28時間の制限を大幅に超えて働いていたそうです。
留学ビザで日本に滞在している外国人がアルバイトをする場合は、資格外活動許可を取得する必要があります。また、アルバイトをする際の労働時間は、法律で週28時間以内(休暇期間に限り週40時間以内)と定められています。
ご夫婦の結婚ビザ申請の内容
出会いから結婚ビザ申請までの経緯
2020年7月
中国人夫が日本留学中にマッチングアプリを通じて日本人妻と知り合う
2020年9月
日本:2022年3月
中国:未手続
2022年5月
結婚ビザの申請書類一覧表
ご夫婦に関する資料
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 質問書
- 在留資格認定証明書交付申請理由書
- パスポートの写し
- 戸籍謄本
- 結婚証明書に関する補足説明書
- 身元保証書
- 住民票
- 在籍証明書
- 令和3年度市・府民税課税証明書
- 令和2、3年度納税証明書
- 残高証明書
- 夫婦の写真
- 夫婦のチャット履歴
その他の資料
- 反省文
- 嘆願書
- 宣誓書
- 返信用封筒
- 申請書類について
プロの視点でチェック
結婚ビザ申請のポイント
- 特になし
- 両国の結婚証明書がない
- 夫婦ともに海外在住
- 出会ってから結婚までの期間が1年以下
- ネットのやり取りだけで直接会ったことがない
- 20歳以上年齢差がある
- 離婚歴に不安要素がある
- 出会い方に不安要素がある
- 夫婦の収入が少ない
- お互いの家族が結婚のことを知らない
- 夫婦が日本で別居
- 2人だけでコミニュケーションが取れない
- 法律違反あり
- 過去のビザ申請で嘘の記載がある
- 過去に結婚ビザ申請が不許可になっている
- その他
両国の結婚証明書がない
結婚ビザ申請の場合は、提出書類として「日本人の方の戸籍謄本(全部事項証明書)」「申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書」が求められています。今回の場合は、日本で先に婚姻手続きを行い、中国側に確認したところ、日本側で結婚手続きが済んでいるため、中国側では届出が不要との回答があったとのことから、「申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書」が提出できない理由を書面にして伝えました。
法律違反あり
就労ビザや留学ビザ等の在留資格で日本に滞在する外国人がアルバイトなどの報酬を受ける活動を行おうとする場合は「資格外活動許可申請」をする必要があります。また、許可が下りたからといって自由に働けるわけではなく「1週に28時間以内であること」や「活動場所において風俗営業等が営まれていないこと(※キャバクラ、ラウンジ、ホストクラブ、パチンコ店、ゲームセンター等)」などの制限があります。
今回の場合、ご主人はアルバイトを3つ掛け持ちし、アルバイト先Aで週20時間、アルバイト先Bで週20時間、アルバイト先Cで週10時間、といった風に働いていました。「1週に28時間以内」は全ての勤務先での就労時間を合計した制限時間であり、1つのアルバイト先で28時間以内に抑えればいいという訳ではありません。
法律違反あり
留学ビザで日本に滞在している外国人留学生が大学を退学した場合、在留資格「留学」の活動をしていなことになるため、原則として速やかに日本から出国しなければなりません。今回の場合、ご主人は大学を中退した後も在留期限が切れるまで日本に居続けていました。そのため、奥様の嘆願書、ご主人本人が書いた資格外活動許可違反・在留資格の知識不足に関する反省文、奥様の違反行為を二度とさせないと約束した宣誓書を提出しております。
先生のコメント
外国人配偶者の結婚ビザ申請の際、来日経験はおおむねプラスに働きますが、中には今回のご夫婦のように来日時の行動が影響し許可が危ぶまれるようなことも…。外国人の恋人ができた際は、違反行為をしていないかどうかさりげなく確認してあげてくださいね!
関連リンク
ページ番号:S-00002230