静岡県にお住まいの日本人男性から結婚ビザ申請のご依頼を受けました。
中国赴任中に出会った中国人妻との結婚手続きが完了し、日本で一緒に暮らすため、中国人妻の結婚ビザを取得したいという事例です。
このご夫婦が結婚ビザ申請をするにあたって、大きく3つの問題点があります。一つ目は「ご主人が中国赴任していたため必要書類である課税証明書に収入が反映されていないこと」二つ目は「奥様に結婚歴があり、奥様が前夫との結婚中に交際を始められたこと」三つ目は「奥様に来日歴があり、来日の際に提出した申請書類の申請内容に虚偽があったこと」です。
今回の場合は、奥様が虚偽の申請を正直に告白してれくれたことで事前に反省文を提出する等の対策を取ることができましたが、もし隠されていた場合、不許可になってしまっていたかもしれません…
ご夫婦の結婚ビザ申請の内容
出会いから結婚ビザ申請までの経緯
2018年3月
日本人夫が中国赴任中に日本料理店にて中国人妻と出会う
2018年9月
日本:2021年5月
中国:未手続
2021年5月
結婚ビザの申請書類一覧表
ご夫婦に関する資料
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 質問書
- 申請理由書
- パスポートの写し
- 結婚証明書に関する補足説明書
- 戸籍謄本
- 身元保証書
- 住民票
- 在籍証明書
- 令和2年度課税証明書に関する補足説明書
- 収入予定証明書(令和3年分)
- 残高証明書
- 夫婦の写真
- 夫婦のチャット履歴
その他の資料
- 住民票(戸口簿)未更新だった事についての補足説明書
- 住民票(戸口簿)未更新だった事について理由書
- 戸籍簿の写し
- 未再婚公証書の写し
- 離婚証公証書の写し
- 反省文
- 返信用封筒
- 申請書類について
プロの視点でチェック
結婚ビザ申請のポイント
- 特になし
- 両国の結婚証明書がない
- 夫婦ともに海外在住
- 出会ってから結婚までの期間が1年以下
- ネットのやり取りだけで直接会ったことがない
- 20歳以上年齢差がある
- 離婚歴に不安要素がある
- 出会い方に不安要素がある
- 夫婦の収入が少ない
- お互いの家族が結婚のことを知らない
- 夫婦が日本で別居
- 2人だけでコミニュケーションが取れない
- 法律違反あり
- 過去のビザ申請で嘘の記載がある
- 過去に結婚ビザ申請が不許可になっている
- その他
両国の結婚証明書がない
結婚ビザ申請の場合は、提出書類として「日本人の方の戸籍謄本(全部事項証明書)」「申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書」が求められています。今回の場合は、日本で先に婚姻手続きを行い、中国側に確認したところ、日本側で結婚手続きが済んでいるため、中国側では届出が不要との回答があったとのことから、「申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書」が提出できない理由を書面にして伝えました。
離婚歴に不安要素がある
結婚ビザ申請の場合は、申請人と日本人配偶者の結婚歴も審査の対象となります。今回の場合は、中国人妻に離婚歴がありましたが、前夫との婚姻中に日本人夫と交際を始めその後離婚しています。社会通念上、不倫・浮気行為は許されない行為であり結婚ビザの審査でも変わりありません。そのため、結婚ビザ申請でも下手に離婚歴は隠さず、なぜそのような行動をとったのか、前夫との夫婦関係はどうだったのか、といった点を誠実に伝え今回の結婚が真実であることをアピールました。
過去のビザ申請で嘘の記載がある
今回の場合は、中国人妻に日本への留学歴があり、その申請の際に本当は既婚者であるにもかかわらず、戸口簿(※中国の戸籍謄本のようなもの)が未婚状態のままだったため「配偶者は無し」として書類を提出したそうです。そのため、申請にあたり日本人夫と本人に虚偽の申告が及ぼす影響をしっかりご説明したうえで、ご本人の反省文を提出しています。
その他(帰国して間もないため現在の収入を証明する資料を添付)
今回の場合は、日本人夫が帰国して間もないため、日本人夫の課税証明書が提出できないことから、現在の職場の収入を証明する資料として「収入予定証明書」を提出し、おまけに残高証明書を添付することで収入面の安定性を立証しました。
先生のコメント
虚偽の申告は絶対にしてはいけないものですが、海外の方の中には「自国ではこれくらい許されている」という感覚で罪の意識がないまま虚偽の申告をしてしまった方が時折いらっしゃいます。虚偽の申告は、後の申請で絶対にバレますし、悪影響しか及ぼしません!!
関連リンク
ページ番号:S-00002671