大阪府にお住まいの韓国人男性から帰化申請のご依頼を受けました。
日本で生まれ、約20年間日本で暮らしてきた方であり、大学卒業前に帰化申請をされて日本国籍になられたいというご希望があったため、この度弊所にご依頼をいただきました。
この方は、現在一人暮らしをしている独身男性であり、大学生として4年制大学に通われておられます。また、大学生のためご実家からの仕送りで暮らされており、アルバイト等もされていない状態での申請でした。
韓国人の特別永住者（在日韓国人）の方であれば、１８歳を越えた時点で帰化申請できます。そのため、ご家族の協力を得られるのであれば、大学在学中に帰化申請を行うことも充分可能です。
個人を特定できないよう多少の修正や加工を施しております。
帰化申請の内容
帰化申請までの経緯
2000年4月
大阪府で出生
本人、父、母（※帰化している家族なし）
※父母とも再婚のため、異母兄・異母姉・異母兄・異父兄・異父姉あり
本人のみの1人世帯
韓国（特別永住者）
大学生
2021年6月
帰化申請の申請書類一覧表
本国の資料
- 基本証明書（本人、父）
- 家族関係証明書（本人、父、母）
- 婚姻関係証明書（本人、父、母）
- 入養関係証明書（本人）
- 親養子入養関係証明書（本人）
- 除籍謄本
- 上記韓国書類の日本語訳文
日本の資料
- 身分関係図
- 帰化許可申請書
- 親族の概要（居住区分／日本）
- 親族の概要（居住区分／外国）
- 履歴書（その1）
- 履歴書（その2）
- 生計の概要（その1）
- 生計の概要（その2）
- 居宅・勤務地付近の略図等
- 申述書（※仕送りの詳細）
- 出生届記載事項証明書（本人、異母兄、異母姉、異母兄）
- 死亡届記載事項証明書（父）
- 婚姻届がない旨の証明書（父母）
- 離婚届がない旨の証明書（父母）
- パスポート写し
- 住民票
- 住民票除票（本人、母）
- 学生証
- 労災保険年金等振込通知書（母）
- 給与明細書（母）
- 給与所得の源泉徴収票（母）
- 市民税・府民税 非課税証明書
- 市民税・府民税 証明書（母）
- 運転免許証の写し
- 運転記録証明書
- 国民年金保険料学生納付特例申請承認通知書
- 賃貸借契約書
- 特別永住者証明書の写し
プロの視点でチェック
帰化申請のポイント
- 特になし
- 年金保険料の遅延・滞納
- 年金免除期間がある
- 健康保険料の遅延・滞納
- 住民税の遅延・滞納
- 年収に不安がある
- 過去に自己破産している
- 多額の借金がある
- 交通違反がある
- 交通違反以外の法律違反がある
- 書類が取得できない
- 過去の自分の情報を忘れている
- 海外渡航期間が長い
- 経営者（会社役員）・自営業者である
- 帰化申請者本人が高齢である
- 在留資格と活動内容が一致していない
- 居住要件に不安がある
- 就労要件に不安がある
- 日本語能力に不安がある
- その他
年金免除期間がある
帰化申請の際、国民年金保険料の納付状況を確認されます。また、過去1年間で未納期間がある場合は支払い終わってからでないと帰化申請することができません。ただし、国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度を利用している場合は制度を利用している証明書類を提出することで帰化申請をすることができます。今回の方の場合は、大学生であり学生納付特例制度を利用していたため、学生納付特例制度を利用していることが分かる「国民年金保険料学生納付特例申請承認通知書」を提出しております。
年収に不安がある
帰化申請では、日本で安定して暮らしていけるだけの収入があることが求められます。ただし、本人に収入が無い場合でも扶養を受けており生活が成り立っていれば、帰化申請をすることができます。今回の方の場合、大学生のため無収入でしたが、母親から仕送りを受けており、仕送りで問題なく生活できているため帰化申請を行っております（※その場合、同居していない母親の収入を証明する書類等が必要になります）
書類が取得できない
帰化申請で求められる書類の一つに本人の出生届や婚姻届があります。ただし、出生届や婚姻届には保存期間があり、保存期間を過ぎていると廃棄されていることもあります。今回の方の場合、父母の婚姻届と離婚届（の記載事項証明書）を提出した役所に申請したもののすでに廃棄されていたため、父母の婚姻届と離婚届が廃棄されていて見つからなかったことを証明する「婚姻届がない旨の証明書」と「離婚届がない旨の証明書」を代わりに提出しております。
先生のコメント
今回の方の場合、本人の出生届記載事項証明書の他に異母兄、異母姉、異母兄の出生届記載事項証明書を提出しております。異母兄弟や異父兄弟の書類に関しては、提出先の法務局によって必要かどうかの見解が異なります。
関連リンク
ページ番号：K-0101
