配偶者ビザに関係する法律を専門家がわかりやすく解説
配偶者ビザは、単に「結婚しているから取得できる」というものではなく、入管法をはじめ、民法、戸籍法、法の適用に関する通則法など、複数の法律が関わって成り立っている制度です。
この記事では、配偶者ビザに関係する主な法律を整理しながら、どのような役割を果たしているのかをわかりやすく解説します。
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配偶者ビザ申請や配偶者ビザの更新を考えるうえでは、どの法律がどの場面で関係してくるのかを知っておくことが大切です。
制度の仕組みを正しく理解したい方はぜひ参考にしてください!
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目次
配偶者ビザの関連法とその解説
日本人と結婚した外国人が日本で生活するための在留資格は「日本人の配偶者等」です。一般には「配偶者ビザ」と呼ばれています。この在留資格の取得や更新の手続きは、基本的に入管法とその関連法令に基づいて行われます。
ただし、配偶者ビザの話は入管法だけを見ていれば理解できるものではありません。そもそも前提として「法律上きちんと結婚していること」が必要になるため、民法や国際私法のルールが関係してきます。
また、その結婚を公的に証明するためには戸籍制度が使われますし、実際の生活状況の確認では住民票などの制度も関係してきます。さらに、偽装結婚の問題や在留管理の観点から、刑法や在留カード制度などが間接的に関係する場面もあります。
要するに、いわゆる「配偶者ビザの法律」というものが一つだけあるわけではなく、実際にはいくつかの法律が組み合わさって制度ができています。この記事では、その全体像がつかめるように、配偶者ビザに関係する主な法令を①入管関係、②婚姻の成立・有効性、③戸籍関係、④外国人の身分関係証明、⑤その他関連法令という形で整理して解説していきます。
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入管では配偶者ビザ申請に関連する法律を元に複数の項目を確認し、総合的に判断して審査を行います。配偶者ビザ申請で入管が具体的にどのような点を確認しているのかは、こちらのページで詳しく解説しています。
1.入管関係
法令
出入国管理及び難民認定法
- 第2条の2:在留資格及び在留期間
- 第7条:在留資格認定証明書
- 第20条:在留資格の変更
- 第21条:在留期間の更新
解説
出入国管理及び難民認定法は、日本に入国する外国人や日本に在留する外国人のルールを定めた基本的な法律です。配偶者ビザの制度も、この法律を土台にしています。
まず大前提として、第2条の2では「外国人は何らかの在留資格を持って日本に滞在する」という仕組みが定められています。その在留資格の一つとして「日本人の配偶者等」があり、日本人と結婚した外国人はこの資格で日本に住むことができます。
海外にいる外国人配偶者を日本に呼ぶ場合に関係してくるのが、第7条の2です。この条文が在留資格認定証明書(COE)の制度の根拠になっています。実務では、日本にいる配偶者が入管にCOEを申請し、それが交付された後に海外の日本大使館や領事館でビザを取得して入国するという流れが一般的です。
すでに日本にいる外国人が日本人と結婚した場合は、第20条の在留資格変更許可が関係します。例えば留学生や就労ビザで在留している外国人が結婚した場合、この条文に基づいて「日本人の配偶者等」へ在留資格を変更することになります。
また、すでに配偶者ビザで日本に住んでいる人が、在留期限の延長を希望する場合には第21条の在留期間更新許可が使われます。配偶者ビザは最初から永住できるわけではないため、一定期間ごとに更新の手続きが必要になります。
このように、配偶者ビザに関する手続きは大きく分けると「海外から呼ぶ」「日本で変更する」「期限を更新する」の三つのパターンがありますが、それぞれの法的根拠になっているのがこれらの条文です。
法令
出入国管理及び難民認定法施行規則
解説
出入国管理及び難民認定法施行規則は、入管法の内容を具体的な手続きとして実行するためのルールを定めた法務省令です。法律が大きな枠組みを決めているのに対して、施行規則は申請手続きの細かい部分を補っています。
例えば、申請書の様式、提出方法、代理人の規定など、実際に申請を行う際に必要となる細かなルールの多くは施行規則に基づいて定められています。配偶者ビザの申請書類も、この施行規則を根拠として整備されています。
なお、実務上、施行規則を直接読む機会はあまり多くありません。実際の申請では、入管のホームページに掲載されている必要書類一覧や申請案内を参考にして書類を準備することがほとんどです。そうした実務上の案内の背景にある法的根拠が、この施行規則だと考えるとイメージしやすいと思います。
2.婚姻の成立・有効性
法令
民法
- 第739条:婚姻の成立(届出)
- 第731条〜第737条:婚姻要件
解説
日本で結婚が成立するための基本ルールを定めているのが民法です。配偶者ビザの審査でも、まずこのルールに沿って婚姻が成立しているかが確認されます。
特に重要なのが第739条で、ここでは「婚姻は届出によって成立する」と定められています。つまり日本では、役所に婚姻届を提出して受理されて初めて法律上の夫婦になります。結婚式を挙げたかどうかは日本では法律上関係ありません。
配偶者ビザの申請で戸籍謄本の提出が求められるのは、この届出がきちんと受理されているかを確認するためです。戸籍に婚姻の記載があれば、日本の法律上は正式に結婚していると証明できます。
また、民法第731条から第737条では婚姻の条件が定められています。例えば結婚できる年齢や重婚の禁止、近親婚の制限などです。こうした条件を満たしていない場合、そもそも婚姻自体が無効または取り消される可能性があります。配偶者ビザは婚姻を前提とする在留資格なので、こうした基本的な婚姻要件を満たしていることも当然確認されます。
法令
法の適用に関する通則法
- 第24条:婚姻の成立
- 第25条:婚姻の方式
解説
日本人同士の結婚であれば、基本的には日本の民法のルールだけを見れば足ります。しかし、相手が外国人の場合は少し事情が変わります。ここで関係してくるのが「法の適用に関する通則法」です。これはいわゆる国際私法と呼ばれる分野の法律で、国をまたぐ法律関係が生じたときに「どの国の法律を基準に判断するのか」を決めるルールを定めています。
例えば、日本人と外国人が結婚する場合、その婚姻が有効かどうかは日本の法律だけで判断されるとは限りません。外国人側については、その人の本国の法律も関係してくることがあります。
通則法第24条では、婚姻の成立について「それぞれの当事者の本国法による」といった考え方が定められています。簡単に言うと、日本人は日本の法律で結婚できるかを判断し、外国人はその人の国の法律で結婚できるかを判断するという仕組みです。
さらに第25条では、婚姻の方式についてのルールが定められています。これは「どのような手続きで結婚するか」という部分の話で、例えば日本で婚姻届を提出する場合には日本の方式に従う、といった整理になります。
配偶者ビザの審査でも、この考え方が前提になっています。つまり、日本の法律上だけでなく、外国人配偶者の本国の法律でもその結婚が有効に成立しているかが確認されます。そのため、配偶者ビザの申請では、日本の戸籍に加えて、外国人配偶者の国で発行された結婚証明書の提出が求められます。
一般の人からすると少し難しく感じる部分ですが、要するに「日本の法律だけでなく、外国人側の国の法律でも問題なく結婚できているか」を確認するためのルールだと考えるとイメージしやすいと思います。
3.戸籍関係
法令
戸籍法
- 第74条:婚姻届
解説
戸籍法は、日本人の身分関係を記録する戸籍制度について定めている法律です。出生、婚姻、離婚などの身分関係は、この戸籍に記録される仕組みになっています。
結婚に関して重要なのが第74条で、ここでは婚姻届の提出について定められています。日本では、市区町村役場に婚姻届を提出して受理されることで婚姻が成立し、その内容が戸籍に記載されます。
日本人と外国人が結婚した場合も基本的な流れは同じで、日本の役所に婚姻届を提出すると、日本人側の戸籍に外国人配偶者との婚姻が記載されます。外国人本人は戸籍を持ちませんが、日本人側の戸籍には配偶者として記録されることになります。
配偶者ビザの申請で戸籍謄本の提出が求められるのは、この戸籍記載を通じて法律上の婚姻が成立しているかを確認するためです。入管にとって戸籍は、日本の行政機関が正式に管理している身分記録なので、婚姻関係を確認するうえで非常に重要な資料になります。
実務の感覚で言うと、配偶者ビザの審査ではまず戸籍謄本を見て「本当に結婚しているか」が確認されます。そのうえで、次に問題になるのが「その結婚が実態のあるものかどうか」です。つまり、戸籍は結婚の法律的な事実を確認するための書類という位置づけになります。
そのため配偶者ビザの申請では、戸籍謄本が比較的新しいもの(通常は発行から3か月以内など)であることが求められることが多く、婚姻の記載がきちんと反映されているかどうかも確認する必要があります。
4.外国人の身分関係証明
法令
住民基本台帳法
- 第30条の45~51:外国人住民の住民基本台帳への記録等
解説
住民基本台帳法は、市区町村が住民の住所や世帯構成などを管理するための制度を定めた法律です。もともとは日本人を対象とした制度でしたが、現在は中長期在留の外国人も住民基本台帳に記録される仕組みになっています。
配偶者ビザの申請では、この制度に基づいて作成される住民票が資料として使われることがあります。住民票には住所や世帯構成などが記載されるため、日本人配偶者と外国人配偶者が同じ住所で生活しているかどうかを確認する参考資料になります。
特に、すでに日本で一緒に生活している夫婦の場合には、住民票の世帯情報が同居の状況を示す資料として使われることがあります。例えば、世帯主が誰なのか、同じ世帯に入っているのか、といった点は生活実態を確認するうえで一定の参考になります。
もっとも、住民票だけで婚姻関係が証明されるわけではありません。婚姻そのものの証明は戸籍が中心になります。住民票はあくまで「どこに住んでいるか」「世帯としてどう登録されているか」といった生活面の情報を補足する資料という位置づけです。
そのため実務では、戸籍謄本で婚姻を確認したうえで、住民票などを通じて実際の生活状況を確認するという形で使われることが多い資料です。
5.場合によって関係する法律
法令
刑法
- 第157条:公正証書原本不実記載罪
解説
配偶者ビザの審査でよく話題になるのが偽装結婚です。これは、本当は夫婦として生活する意思がないのに、在留資格を得る目的で形式的に結婚するケースを指します。
偽装結婚そのものを直接処罰する「偽装結婚罪」という名前の犯罪があるわけではありませんが、実際には刑法第157条の公正証書原本不実記載罪が問題になることがあります。これは、公務員が作成する公的な書類に虚偽の内容を記載させた場合に成立する犯罪です。
婚姻届が受理されて戸籍に婚姻が記録されると、その戸籍は公的な記録になります。もし結婚の実体がないのに形式だけの婚姻届を提出して戸籍に記載させた場合、この罪に該当する可能性があります。
入管が配偶者ビザの審査で婚姻の実態を慎重に確認するのは、こうした問題が背景にあります。単に法律上結婚しているだけでなく、本当に夫婦として生活する意思や実態があるかどうかが重要なポイントになります。
法令
出入国管理及び難民認定法
- • 第19条の3以降:在留カード
解説
配偶者ビザを取得して日本に在留する外国人には、在留カードが交付されます。在留カードは、日本に中長期で在留する外国人の身分証明書のような役割を持つカードで、在留資格や在留期間などの情報が記載されています。
この制度の根拠になっているのが入管法第19条の3以降の規定です。配偶者ビザで在留している外国人も、この制度の対象になります。
実務では、在留カードを通じて現在の在留資格や在留期限を確認することが多く、例えば在留期間更新の申請の際には在留カードの写しを提出することが一般的です。また、住所を変更した場合には市区町村での届出が必要になるなど、在留カードは日本で生活するうえで基本的な管理制度の一つになっています。
法令
国民健康保険法
- 第5条:被保険者
国民年金法
- 第7条:被保険者の資格
解説
配偶者ビザの審査では、日本での生活基盤があるかどうかも確認されます。その参考資料として、社会保険の加入状況が見られることがあります。
例えば、国民健康保険や国民年金への加入状況、保険料の支払い状況などは、日本での生活実態を判断する材料の一つになることがあります。特に在留期間更新や永住申請の場面では、こうした社会保険関係の記録が確認されることもあります。
なお、国民健康保険法や国民年金法には、いわゆる「外国人条項」は設けられていません。中長期在留の外国人については、日本人と同様に被保険者として制度の対象になります。そのため、配偶者ビザで日本に在留する外国人も、原則として日本人と同じルールで社会保険制度に加入することになります。
もちろん、これらの法律が直接「配偶者ビザの要件」を定めているわけではありません。ただ、日本で安定して生活しているかどうかを見るうえで、行政手続の記録として参考にされることがあります。実務的には、日本で普通に生活していれば自然と関わる制度なので、その状況が結果として審査資料の一つになるというイメージです。
まとめ
配偶者ビザは「結婚すれば自動的に取れるビザ」と思われることがよくありますが、実際の審査はそれほど単純ではありません。入管法だけでなく、民法、戸籍制度、国際私法など、いくつかの法律が組み合わさって制度ができているためです。
とはいえ、特別なテクニックが必要というわけでもありません。法律上きちんと結婚していて、実際に夫婦として生活しているのであれば、必要な書類をきちんとそろえることで問題なく手続きできるケースがほとんどです。
配偶者ビザの制度を理解するうえでは、「どの法律がどの役割を担っているのか」を整理して見ることが大切です。この記事が、その全体像をつかむための参考になれば幸いです。
この記事の監修者
代表行政書士
山 中 健 司
Kenji Yamanaka- 所属団体:日本行政書士会連合会、大阪府行政書士会
- 登録番号:第11261315号
- 登録資格:特定行政書士/申請取次行政書士
- 大阪出身。在留資格や帰化申請、化粧品・医薬部外品許可申請などを中心にサポート。依頼者との出会いを大切にし、「出会えてよかった」と思ってもらえる関係づくりを大事にしています
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