千葉県にお住まいの日本人女性から結婚ビザ申請のご依頼を受けました。
留学ビザで来日し日本で暮らしているスリランカ人夫との結婚手続きが完了し、これから先も日本で一緒に暮らすため、スリランカ人夫の結婚ビザを取得したいという事例です。
このご夫婦は、ご主人が日本留学中に食事会を通じて知り合い交際を続けたすえに結婚に至っております。今回の申請にあたり、このご夫婦の問題点としては、ご主人が留学ビザで来日しているにも関わらず約半年前から大学に通うのを辞めてしまっていた点でした。また、ご主人は学費を払っているため、適法に日本に滞在していると勘違いしており、奥様にもそう話していたため、結果的にご依頼時に嘘の状況を説明されてしまい、書類を準備する過程で徐々に問題点が明らかになっていたケースでした。
外国人の夫・妻が留学生の場合は、日本の手続きに不慣れであり、日本の法律も知らない状態のため、本人が思わぬ勘違いをしていることもあります。また、日本人であれば当然のことがビザによってできない(制限されている)こともありますので、申請はより慎重に行ってください。
ご夫婦の結婚ビザ申請の内容
出会いから結婚ビザ申請までの経緯
2015年11月
日本人妻が友人に誘われて参加した食事会で日本留学中のスリランカ人夫と出会う
2016年4月
日本:2018年4月
スリランカ:未手続
2018年4月
結婚ビザの申請書類一覧表
ご夫婦に関する資料
- 在留資格変更許可申請書
- 質問書
- 申請理由書
- パスポートの写し
- 在留カードの写し
- 結婚証明書に関する補足説明書
- 戸籍謄本
- 住民票
- 在職証明書
- 給与明細書に関する補足説明書
- 給与明細書の写し
- 平成29年度市民税・県民税非課税証明書
- 夫婦の写真
- 夫婦のチャット履歴
身元保証人(妻:***)に関する資料
- 身元保証書
- 在職証明書
- 平成29年度市民税・県民税所得証明書
- 平成29年度納税証明書
その他の資料
- 在留資格変更許可申請書類について
プロの視点でチェック
結婚ビザ申請のポイント
- 特になし
- 両国の結婚証明書がない
- 夫婦ともに海外在住
- 出会ってから結婚までの期間が1年以下
- ネットのやり取りだけで直接会ったことがない
- 20歳以上年齢差がある
- 離婚歴に不安要素がある
- 出会い方に不安要素がある
- 夫婦の収入が少ない
- お互いの家族が結婚のことを知らない
- 夫婦が日本で別居
- 2人だけでコミニュケーションが取れない
- 法律違反あり
- 過去のビザ申請で嘘の記載がある
- 過去に結婚ビザ申請が不許可になっている
- その他
両国の結婚証明書がない
結婚ビザ申請の場合は、提出書類として「日本人の方の戸籍謄本(全部事項証明書)」「申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書」が求められています。今回の場合は、スリランカ人夫が留学ビザで来日中に日本で先に結婚し、駐日スリランカ大使館で結婚手続きをしようとしたところ、日本側で結婚手続きが済んでいるため、同大使館で手続きすることができないと回答をいただいため、スリランカから発行された結婚証明書がない旨を記載した補足説明書を添付しております。
※現在、日本にあるスリランカ大使館へ日本の外務省がアポスティーユした婚姻届記載事項証明書(婚姻届受理証明書)または戸籍謄本を提出することで、スリランカ大使館の認証を受けることができます。
法律違反あり
在留資格(ビザ)の取消しとは、日本に在留する外国人が、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合などに、その外国人の在留資格を取り消す制度です。
今回の場合、ご主人は留学ビザで日本に滞在しているにも関わらず大学に通うのを辞めてしまっていました。また、学費を1年分先に払っていたため、ご自身は適法に滞在していると勘違いされておりました。そして、奥様も詳しく入管法を知らなかったため「大学に通うのを辞めてしまった時点から3カ月以内に在留資格の変更を行わないといけなかったこと」「大学に通うのを辞めてしまった時点で在留資格(ビザ)の該当性がなくなり、アルバイトしてはいけないこと」を知らず、ご主人の「大丈夫」という言葉を信じてしまっていました。
その結果、罪に罪を重ねることとなり、今回、ご自身で申請されていた場合、結果的に不許可になっていたことでしょう。
先生のコメント
交際相手が外国人だった場合、なかなか難しいかもしれませんが、相手の状況を聞き、日本の法律上適法に滞在しているのか確認してあげてくださいね!
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