意外と知られていない?国籍「韓国」と国籍「朝鮮」の違いについて

意外と知られていない?国籍「韓国」と国籍「朝鮮」の違いについて

意外と知られていない?国籍「韓国」と国籍「朝鮮」の違いについて

帰化に関するこぼれ話 ~「韓国」と「朝鮮」って何が違うの~

現在、日本には在日韓国人・在日朝鮮人(在日コリアン)が約32万人にいます。そのうち、国籍が「韓国」となっている人が約29万人、国籍が「朝鮮」となっている人が約3万人います。

よく誤解されていますが、韓国=大韓民国出身、朝鮮=朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)出身ではありません。

実は、国籍欄の記載について「韓国」は大韓民国の国籍を表すものでありますが「朝鮮」は地域(朝鮮半島)を表すものに過ぎず、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国籍を表したものではないとされています。

なぜかというと、それは日本と韓国の歴史が関係しています。

1910年の韓国併合により、朝鮮半島は日本の領土となりました。そして、日本の戸籍とは別に「朝鮮戸籍」と呼ばれる戸籍が新たに作られ、朝鮮戸籍に登載された人々を「朝鮮人」と呼ぶことになりました。

その後、出稼ぎなどを理由に朝鮮から日本へ移住する朝鮮人や、戦時体制の下で日本へ強制連行された朝鮮人が日本に増えていきました。1945年8月、終戦当時の在日朝鮮人の全人口は約210万人ほどとする報告もあります。

終戦後、多くの朝鮮人が朝鮮半島に帰還する一方で、以前から滞在していた者を中心に約60万名の朝鮮人が日本に残りました。その際、日本に住んでいた朝鮮人は日本人ではなく外国人という扱いになり、国籍欄に出身地である「朝鮮」という記載が一律でされるようになりました。

更にその後、1948年8月15日に韓国が独立(建国)しました。そして、1950年(昭和25年)以降、本人の希望があった場合は、日本における外国人登録上の国籍を「朝鮮」から「韓国」へ変更することができるようになりました。その際に「朝鮮」から「韓国」へ国籍欄を変更した朝鮮人やその子孫たちは国籍欄が「韓国」となり、逆に変更せずにいた朝鮮人やその子孫たちは国籍欄が「朝鮮」のまま現在に至っています。

ちなみに、国籍欄を「韓国」から「朝鮮」へ変更してしまうと「朝鮮」へ戻すことは事実上困難となっています。

帰化に関するこぼれ話 ~パスポートってどうなるの~

余談ですが、国籍が「韓国」の在日韓国人が海外旅行に行く場合、日本にある駐日韓国大使館・総領事館でパスポートを発行してもらうことができます。

しかし、国籍が「朝鮮」の在日朝鮮人の場合は、当然ですが、駐日韓国大使館・総領事館でパスポートを発行してもらうことができません。そのため、海外旅行に行く場合は、出入国在留管理局(法務省)でパスポートによく似た「再入国許可書」を発行してもらうことができます。

再入国許可証とは?

再入国許可証とは、日本で暮らしている外国籍の方が一時的に日本から出国する前に、出入国在留管理局(法務省)へ申請をして交付されるものですが、本来、日本への再入国を担保する書類であり、パスポートのように海外への渡航文書としての効力はありません。しかし、日本で暮らしてる日本国籍を保持していない、かつ有効なパスポートを所持していない外国人(※主にパスポートを取得することができない在日朝鮮人やインドシナ難民など)に対しては、旅行証明書代わりとして交付されることがあります。

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国籍「韓国」と国籍「朝鮮」の違いについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

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国籍に関する法律や規則は、各国で異なるため、具体的な国籍についての情報は、該当する国の法律を確認することが不可欠です。この点、弊所においては、外国の法律の確認などお調べすることができかねますのでご留意ください。