結婚手続きには思いがけない失敗がつきもの
フィリピン人婚約者を日本に招へいして、日本国内で国際結婚の手続きを進めるときに思いがけないトラブルがたくさんあります。今回はフィリピン人婚約者が来日して、日本国内で婚姻手続きを進めるまでの流れと、一連の流れのなかで直面しがちなトラブルを紹介していきましょう。
来日するまでのトラブル
フィリピン人婚約者が来日するためにはビザが必要になり、ビザ申請を行うためにはパスポートを持っている必要があります。また、既にパスポートを持っている場合でも、有効期限が6ヶ月以上残っており、未使用のページ(査証欄)が2ページ以上残っている必要があります。
そのため、パスポートをお持ちでない方や更新が必要な方はビザ申請前にフィリピン側の役所でパスポートの取得が必要になります。ただ、このパスポートの発行に想定以上の時間がかかることが多く、役所から完成予定日を案内されていたとしても、パスポートの完成が遅れてしまうことが多々あります。
せっかく、ビザ申請に必要な申請書類一式を準備したとしても、肝心のパスポートが取得出来なければビザ申請を行えません。また、ビザ申請の書類には有効期限(発行から3ヶ月以内)があるため、パスポートの取得が遅れてしまうと、再度ビザ申請のための申請書類一式を準備し直さなければいけなくなるかもしれません。
短期ビザが不許可になってしまうと、フィリピン人婚約者の方に来日してもらい婚姻手続きを進めることができません。さらに、一度不許可になってしまうと6か月間は再申請が行えないため、それまでに進めていた準備が無駄になってしまいます。
また、許可をいただいた場合でも日本に滞在できる日数が30日以下の許可の場合は、来日してから結婚手続きを行うための時間が足りなくなってしまう可能性が高くなります。短期ビザの申請においては、滞在日数が長くなればその分、審査のハードルが高くなる傾向がありますので、慎重に申請を行う必要があります。
なお、短期ビザが不許可になってしまい、フィリピン人婚約者様が来日できなくなってしまった場合でも婚姻手続きを進めることはできます。
来日した際に結婚手続きを行うためには、日本国内の市役所やフィリピン大使館(または総領事館)へ提出する必要書類をあらかじめフィリピン国内で準備しておく必要があります。
ただ、こちらの書類もパスポートの場合と同じく書類の取得まで予定外に時間がかかることがあります。また、取得した書類に書かれている内容(名前、生年月日、住所など)にスペルミスがあったり、まったく違う事実と異なる内容が書かれていることがあります。
もし、来日してから婚姻手続きを行う際に書類の誤りに気付いたとしても手遅れです。基本的に婚姻手続きを行う各役所では誤った不備ある書類では届出を受け付けてもらえません。そのため、取得した書類に書かれている内容に間違いないかのチェックはしっかりと行いましょう。
フィリピン国内で取得した書類を日本国内の役所で使用するためには、「アポスティーユ認証」というものが必要です。この「アポスティーユ認証」は、書類を発行する役所とは別の機関(フィリピン外務省:DFA)で行われます。
もし、このアポスティーユ認証がない書類を持って来日して、婚姻手続きを進めようとすると、婚姻手続きを行う役所から書類の不備を指摘され、手続きを受け付けてもらえません。書類を取得しただけではダメですので、注意しましょう。
日本で婚姻手続きを行うためには、まず日本にあるフィリピン大使館(または総領事館)で“婚姻要件具備証明書(LCCM)”を発行してもらう必要があります。ただ、フィリピン大使館(または総領事館)の手続きは事前予約制となっているため、来日していきなりフィリピン大使館(または総領事館)に行っても対応してもらえません。
また、手続きの予約は1か月先くらいまで埋まっていることが多く、来日してからのんびりしているとせっかくの来日中に婚姻手続きが間に合わなくなってしまう可能性が出てきます。
なお、予約はインターネットから行えるのですが、先の日程まで埋まっている場合でも、キャンセルによる空きが出てくることがよくありますので、予約が埋まっている状況でもこまめにフィリピン大使館(または総領事館)の予約サイトを確認することで、来日してから早いタイミングで婚姻手続きを進めることができる可能性が高くなります。
フィリピン人と結婚して日本で一緒に暮らすなら
ようやく婚姻手続きが成立したとしても、そのままでは日本で一緒に暮らすことはできません。日本で一緒に暮らすためには、配偶者ビザを取得する必要があります。
配偶者ビザは婚姻手続きと違い、書類を準備しただけでは許可をもらうことができません。申請のポイントとなる、今後の生活の見通しや、お二人が出会ってから結婚までの経緯を説明して、偽装結婚ではないことをわかってもらわなければいけません。
弊所では、婚姻手続きのご相談から、配偶者ビザの申請までトータルでサポートしておりますので、国際結婚とビザ申請にお悩みであれば、ぜひご相談くださいませ!
⇒ 後編の記事はこちらから(フィリピン人婚約者に来日してもらい結婚しようとするときの注意点(後編))