結婚手続きには思いがけない失敗がつきもの
前回の記事「フィリピン人婚約者に来日してもらい結婚しようとするときの注意点(前編)」から引き続き、フィリピン人婚約者に来日してもらい結婚しようとするときの注意点(後編)をお届けします。
フィリピン人婚約者を日本に招へいして、日本国内で国際結婚の手続きを進めるときに思いがけないトラブルがたくさんあります。前回はフィリピン人婚約者が婚姻手続きのために来日するまでに起きがちなトラブルについてお話ししてきました。その続きとなる今回は、フィリピン人の方が来日してから起きがちなトラブルを紹介していきましょう。
来日してからのトラブル
来日してから日本にあるフィリピン大使館(または総領事館)で婚姻要件具備証明書(LCCM)の請求を行うことになります。そして、完成した婚姻要件具備証明書(LCCM)は手続きを行ったフィリピン大使館(または総領事館)から後日郵送で送られてきます。
最近では、請求から2週間前後で婚姻要件具備証明書(LCCM)が郵送されてくることが多い印象です。ただ、こちらの書類が届くまでの日数はフィリピン大使館(または総領事館)の業務の混雑状況や郵便事情によって予定より時間がかかることがあります。
日本の婚姻届は、原則こちらの婚姻要件具備証明書(LCCM)が必要になりますので、入籍を希望する日取りがお決まりである場合など、特に日程には余裕をもって進めていきましょう。
日本の市区町村役場で婚姻届を提出する際、通常は婚姻要件具備証明書(LCCM)があればスムーズに婚姻届を受理してもらえることが多いです。ただ、婚姻届のためにご用意された書類の内容や結婚されるお二人の状況によっては、婚姻届を持参した窓口ですぐに婚姻届を受け付けてもらえず、その地域を管轄する法務局へ持ち込まれたうえで、婚姻届を受理してよいものかチェックされる受理伺いとなる場合があります。
この受理伺いとなると場合によっては、婚姻届が受理されるまで数カ月かかることもあります。事前に対策することは難しいので、もし受理伺いとなったときには、受理されてからすぐに次の婚姻手続きのステップに移れるよう準備することにしましょう。
なお、受理伺いとなり、婚姻届を提出しに行ったその日に婚姻届が受理されなかった場合でも、受理伺いの結果、何事もなく婚姻届が受理されることになったら、入籍日(婚姻届を受理された日)は、最初に市区町村役場の窓口に婚姻届を持参した日で登録されます。
婚姻届が市区町村役場で受理されて日本の法律での婚姻が成立したあと、フィリピンの法律でも婚姻登録を行う必要があります。そして、以前お伝えした「フィリピン人婚約者に来日してもらい結婚しようとするときの失敗談(前編)」のときと同様に、日本にあるフィリピン大使館(または総領事館)でフィリピン側の婚姻登録を行う手続きの際にも事前予約が必要になります。
こちらの手続きの予約も1か月先くらいまで埋まっていることが多くあります。また、婚姻手続き完了後に日本で一緒に暮らすための配偶者ビザ申請をお考えであれば、その際にもフィリピンの結婚証明書が必要となることから、早めに予約を取ることをお勧めします。
たいていの場合、日本の市区町村役場で婚姻届を提出してからお二人の婚姻の記録が戸籍謄本にも反映されるまで1~2週間かかることが多いので、婚姻届を提出してからフィリピン大使館の予約を取られると良いかもしれません。
なお、予約はインターネットから行えるのですが、先の日程まで埋まっている場合でも、キャンセルによる空きが出てくることがありますので、予約が埋まっている状況でもこまめにフィリピン大使館(または総領事館)の予約サイトを確認することで、早く婚姻手続きを進めることができるかもしれません。
フィリピン人と結婚して日本で一緒に暮らすなら
ようやく婚姻手続きが成立したとしても、このままでは日本で一緒に暮らすことはできません。日本で一緒に暮らすためには、配偶者ビザを取得する必要があります。そして、こちらの配偶者ビザは婚姻手続きと違い、書類を準備しただけでは許可をもらうことができません。申請のポイントとなる、今後の生活の見通しや、お二人が出会ってから結婚までの経緯を説明して、偽装結婚ではないことをわかってもらわなければいけません。
また、婚姻手続きから配偶者ビザ申請の一連の手続きの中で何かイレギュラーな出来事があった場合でも、「何かカバーできる方法はないか」また「直面した状況からどのような予定変更が必要になるか」を豊富な経験から一緒に考えてご提案します。
弊所では、婚姻手続きのご相談から、配偶者ビザの申請までトータルでサポートしておりますので、国際結婚とビザ申請にお悩みであれば、ぜひご相談くださいませ!