経営ビザが取得できる事業計画書作成のコツ
経営ビザの申請においては、事業計画書の作成が必要です。その中で、特に重要なのは起業初年度の役員報酬月額の適正な見積もりです。役員報酬額の適正な設定は、経営ビザの取得だけでなく、企業の健全な経営を確保する上でも極めて重要です。
役員報酬額を高く見積もることで、年間の固定費を確保し、節税効果が期待できます。しかし、このアプローチには目標とした利益を達成できない場合の赤字決算のリスクが伴います。逆に、低く見積もることで黒字決算を目指すことができますが、利益が増加すると法人税の支払いが増加するリスクがあります。
役員報酬の適正な額を決定するには、以下のポイントを考慮する必要があります。「自社の利益が見込める程度」「社長の生活費として必要な役員報酬」「法人と個人の税負担のバランス」など、会社ごとの状況やニーズに合わせた計画が必要です。
なお、経営ビザの申請においては、役員報酬が月額20万円以上であることが求められることがあります。これは、事業の安定と適切な経営が行われていることを示す指標とされていますので、これを考慮に入れながら事業計画を策定することが重要です。
経営ビザの事業計画書において特に重要な項目は、損益計画です。損益計画（P&L計画または利益計画とも呼ばれます）は、事業を行う法人や個人がある期間内に見込まれる売上と原価経費を詳細に計画し、予測するための文書です。損益計画の目的は、将来の経済活動を予測し、月次会計の適切な管理および将来のビジネス戦略の策定を可能にすることです。
損益計画を立てることで、経営ビザ申請を行う申請者のビジネス規模が明確になります。特に、経営ビザの審査においては、売上と原価の計画が重要です。これに際しては、同業他社や業界の相場感を参考にすると良いでしょう。ただし、単に数字を記入しただけでは不十分で、売上と原価の根拠を示すことがポイントです。
例えば、売上1000万円の場合、その計算式などを示すことが重要です。飲食業の場合、客単価×座席数×1日あたり回転数×営業日数などにより予定売上高を具体的に示すことができます。美容エステ業なら、施術単価×1日あたりの客数×営業日数などで同様に算出します。
このように、計算式を示すことで、経営ビザ申請者のビジネスの規模感が具体的に表れ、信憑性の高い申請書類となります。
起業1年以内の収支計画と経営ビザの要点
経営ビザの事業計画書の作成において、時折、申請者が不測の事態を考慮しすぎて、極端にネガティブな損益計画を提示するケースが見受けられます。たとえば、取引先の確立が未完成であるため、初年度は赤字であると見積もり、2期目から黒字化する計画を立てたり、申請時点での役員報酬をゼロ円として生活費の確保を図るなどが挙げられます。
これらの計画は事実に基づくものかもしれませんが、経営ビザ申請においては、これらの極端な計画は否定的な評価を招く可能性があります。そのため、一般的には慎重な計画書作成が求められます。業種や事業規模によって異なるアプローチが必要ですが、以下はエンジニアが独立し、社員を雇わない場合の経営ビザ申請に向けた計画書の参考例です。
このように、起業1年以内に黒字化を目指す収支計画を立てることが推奨されます。なお、この計画には初期投資などのキャッシュフローは含まれておらず、その点を留意してください。予測される売上と固定費の詳細が明示されており、計画は現実的でかつ達成可能な目標を設定することが重要です。
事業計画書の作成をお願いして、経営ビザの取得を目指す
経営ビザが取得できる事業計画書作成のコツについてご紹介しましたが、いかがでしたか？
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