1. お客様からの相談メールをご紹介
ブラジル在住の日本人の方から、このようなお問合せをいただきました。
こんにちは。
今現在ブラジル人の夫と、日本のパスポートを持つ息子と娘と共に海外に住んでおります。
当初は海外から夫のビザを取得して家族で一緒に日本へ移る予定でした。しかし、金銭的に厳しい生活状況のため、まずは私と子供だけで日本に帰国し、父の家に住みながら仕事を探し、その上で夫のビザを申請しようと考えています。
父や近くに住む兄も申請に協力してくれる予定です。この計画で夫のビザ取得は可能でしょうか?また、その場合、私が得る仕事は正社員でなければならないのか、アドバイスをいただければ幸いです。
国際結婚をした場合、結婚後に海外で暮らすご夫婦もいらっしゃいます。今回は、途中で日本に戻る場合のケースについて解説します。
2. 今回のご相談のポイント
- 日本人配偶者が先に帰国し、外国人配偶者を後から呼ぶことはできるのか?
- 配偶者ビザ申請時、日本人側に安定した収入が必要か?
- 正社員でなければならないのか、パートや親族の援助でも良いのか?
- 実家に同居し、父や兄の支援を受けることは審査に有利に働くのか?
3. 配偶者ビザの基本ルールと生活基盤の審査
外国人配偶者が「日本人の配偶者等」の在留資格を得るには、以下の条件が重視されます。
| 婚姻の真実性 | 形式的な結婚ではなく、夫婦として継続的に同居し生活する意思があること |
| 生活の安定性 | 日本で生活できるだけの収入や支援体制があること |
| 身元保証人の存在 | 通常は日本人配偶者が保証人となるが、同居する家族が追加の身元保証人として協力することも信頼性を高める材料となる |
よくある誤解として「身元保証人は必ず正社員でなければならない」というものがあります。
実際にはパートやアルバイトでも、収入や貯金、親族の援助を含めて生活基盤が維持できると判断されれば許可の可能性はあります。
また、追加の身元保証人になる家族が既に定年退職されていて年金収入を得られている場合でも、年金収入が安定した保証力として審査いただける可能性があります。
4. 今回のケースではどうか?
今回のケースを整理すると以下のようになります。
→ 可能。住居基盤があることは大きな強み。
→ 生活費の支出を抑えることができることが多いため、配偶者ビザの申請時点で収入や預金が少ない場合でも、許可をいただける可能性が高くなる。
→ 不利。ただし、父や兄からの援助を明確に示す資料(援助誓約書・収入証明・残高証明)があれば許可の可能性を上げられる。
→ 正社員でなくても可。収入が一定で継続性があれば評価される。
→ 不許可リスクが高い。
採用が決まっているのであれば、採用内定書などを提出できると望ましい。
採用が決まっていないのであれば、「夫婦の預金」や「家族からの援助」など何らかの形で家族が日本で暮らす際の生活費(1年分くらい)を支弁できる見通しを説明することが望ましい。
※ 生活費はあくまで概算で構いません。
5. 将来的にどうすればよいか?
| 短期的な見通しについて | 帰国後すぐに申請する場合は、父や兄の経済的な保証力を証明する資料と、支援をきちんともらえることを説明する書面を準備すること。 |
| 中期的な見通しについて | 仕事を見つけて収入証明を添付すれば、よりスムーズに許可される可能性が高い。正社員でなくても収入の安定性があれば良い。申請時点で無職の場合でも、審査中に内定がもらえた場合は追加で資料を提出して、審査してもらうことも可能。 |
| 長期的な見通しについて | 安定した生活基盤を築いた後には、将来的に永住許可の申請も視野に入れることができる。 |
6. まとめ
配偶者ビザは、日本人が先に帰国してから外国人配偶者を呼ぶことも可能です。審査の鍵となるのは「婚姻の真実性」と「生活の安定性」であり、必ずしも正社員である必要はありません。実家に住むことや父・兄の援助がある点は有利に働きます。
ただし、収入がゼロの状態では不許可のリスクが高いため、パートでも仕事を得るか、家族からの援助を明確に書面化することが大切です。
今回のようなケースでは、申請資料の整え方次第で結果が大きく変わります。不安な場合は専門家に相談し、適切なタイミングと方法で申請を進めることをおすすめします。

コモンズ行政書士事務所
代表行政書士 山中 健司
プロフィール
2011年8月 コモンズ行政書士事務所を開業
専門分野
帰化・永住・ビザ申請・会社設立・各種許認可





