就労ビザの要点について知る

  • 2020-7-12
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在留資格「技術・人文知識・国際業務」の要点

就労ビザについて要点を知りたい

日本で外国人を雇いたいと考えネットなどで調べると、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に関する情報がでてくると思います。ずいぶんと長い名前なので、以下「技人国(ぎじんこく)」としますね。
この技人国ビザは、次の職種で外国人を雇いたいときに入管へ申請して取得することができます。

■ 技術の職種例(参考)/ 主にIT関連

・ゲームメーカーでオンラインゲームシステムの開発及び保守運用業務等に従事
・ソフトウェアエンジニアとしてコンピュータ関連サービスに従事
・コンピュータ・プログラマーとして、開発に係るソフトウェアについて顧客との仕様の調整及び仕様書の作成等の業務に従事
・自動車メーカーで製品開発・テスト、社員指導等の業務
・証券会社等においてリスク管理業務、金利派生商品のリサーチ部門等に所属してシステム開発に従事 など

■ 人文知識の職種例(参考)/ 主に営業・企画・事務関連

・外国船舶の用船・運航業務のほか、社員の教育指導を行うなどの業務に従事
・海外事業本部において本国の会社との貿易等に係る会計業務に従事
・IT関連企業との業務取引等におけるコンサルタント業務に従事
・本国と日本との間のマーケティング支援業務として、市場、ユーザー、自動車輸入動向の調査実施及び自動車の販売管理・需給管理、現地販売店との連携強化等に係る業務に従事 など

■ 国際業務の職種例(参考)/ 主に翻訳・通訳関連

・外国語を用いたフロント業務、外国人観光客担当としてのホテル内の施設案内業務等に従事
・海外旅行会社との交渉に当たっての通訳・翻訳業務、従業員に対する外国語指導の業務等に従事
・海外市場のマーケティングリサーチ、外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)作成などの広報業務等に従事
・私企業の語学教師に従事 など

いわゆる、オフィスワークの業務は技人国ビザに当てはまり、肉体労働や単純作業の仕事に従事する場合は技人国ビザに該当しませんのでご注意くださいね。
上記に該当する職種で外国人の雇用を考えている企業は、必要書類を準備して、入管に申請して許可をいただくことで外国人を雇用することができます。

■必要書類について
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00089.html

ただ、初めて外国人を雇う企業や外国人材の雇用実績が少ない企業は「そもそも許可がでるのか?」や「専門学校卒の外国人でも大丈夫なのか?」、「経営状態によって審査に影響がでるのか?」などと不安に感じていることでしょう。そのため、今回は技人国ビザ申請前に確認してもらいたい要点を3つにまとめましたので、これから外国人を雇いたいと考えている方や申請に不安を抱いている方は参考にしてください。

それでは、3つの要点について解説していきますね。

要点1.外国人の学歴と実務経験について

ここでの要点として、入管法の基準省令で記載されている「学歴」と「実務経験」について解説します。

①学歴
『当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。』
・大学を卒業し
学士の学位を取得した者をいいます。学士とは大学を卒業した人に与えられる学位のことです。卒業時には自動的に「学士」の称号が得られますので、大学を卒業していればOKです。また、大学は日本と海外どちらでも構いません。

・これと同等以上の教育を受け
これは、短期大学【短期大学士】、高等専門学校【高度専門士】、専門(専修)学校【専門士】が該当します。専門学校の場合は、日本国内の専門学校である必要があります。

②実務経験
『十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。』
・10年以上の実務経験があること
この実務経験には、大学や専門学校、高校で当該知識又は技術に係る科目を専攻した期間を含みます。ただし、申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務(翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発等)については三年以上の実務経験で問題ありません。

要点2.外国人の雇用形態と報酬について

ここでの要点として、入管法に記載されている「本邦の公私の機関との契約」と、審査要領に記載されている「報酬」について解説します。

①本邦の公私の機関との契約
・本邦の公私の機関には、国、地方公共団体、独立行政法人、企業、公益法人等の法人のほか、任意団体も含まれます。また、本邦に事務所、事業所等を有する外国の国、地方公共団体(地方政府を含む)、外国の法人等も含まれ、さらには個人であっても、本邦で事務所、事業所等を有する場合は含まれます。つまり、日本国内に事務所等を有するのであれば、ほぼすべての機関が該当する認識で構いません。

・契約には、雇用のほか、委任、委託、嘱託等が含まれますが、特定の機関との継続的なものが必要です。例えば、毎月安定した業務とそれに対応する報酬が発生し、客観的にも業務委任契約書の存在が認められるのであれば、外国人が自営業者として技人国ビザを取得することも可能です。つまり、雇用契約にあるような一方的な従属性を必ずしも求められる訳ではなく、委任、委託、嘱託などの契約形態によって外国人労働者の裁量性も認めれています。ただし、外国人と契約する機関は特定されている必要があります(同時に2つ以上の複数機関でも可)。もし、特定の機関との継続的契約ではない場合には、「経営・管理」ビザに該当する場合がありますのでこの点注意してください。

②報酬
『①報酬の月額は、賞与等を含めた1年間従事した場合に受ける報酬の総額の12分の1で計算する。』
これは、現実の月額給与だけでなく、賞与等も含めた年収の総額を12で割ることになります。例えば、給与額面25万円(月額)、賞与50万円とする場合は、25万円×12+50万円÷12=約29万円となり、この金額が報酬の月額として審査の対象となります。

『②報酬とは、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいい、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除く。)は含まない。』
これは、給与や賞与という名称で形式的に判断されるのではなく、実質的に判断されています。

『③「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」については、報酬額を基準として一律に判断することは適切ではない。個々の企業の賃金体系を基礎に日本人と同等額以上であるか、また、他の企業の同種の職種の賃金を参考にして日本人と同等額以上であるかについて判断する。なお、この場合、外国人が大卒であればその企業の日本人大卒者の賃金を、専門職、研究職であればその企業の日本人専門職、研究職の賃金を参考にする。』
これは、企業の業種や申請人の学歴・職歴をみて総合的に判断する内容となっています。外国人だから賃金を下げたりすることはできませんので、自社で賃金規程があるのであればそのとおりに、ないようであれば年齢やキャリアなど同程度の日本人社員と同程度の賃金を支給するようにしましょう。

要点3.企業の経営状態について

企業側の経営状態も審査の重要なポイントとなり、事業の安定・継続性が判断されることとなります。そのため、通常は決算書を添付し申請します。在留審査上、入管の決算書をみるポイントは次のとおりです。

★直近期において剰余金がある場合又は剰余金も欠損金もない場合
まず、直近期において剰余金がある場合には、事業の継続性は問題ありません。剰余金とは純資産から資本金と資本準備金を控除した金額です。簡単にいうと、利益がでている会社のため問題なしと判断されます。
次に剰余金も欠損金もない場合とは、たとえ直近期において赤字だったとしても、剰余金が減少したのみで欠損金とまでならない状態をいいます。欠損金とまでならないのであれば、事業を継続する上で重大な影響を及ぼすとまでは判断されません。つまり、「直近期において剰余金がある場合」または「剰余金はないが欠損金もない場合」には、事業の継続性があると認められます。

★直近期において債務超過となっていない場合
これは、直近において赤字となったが、貸借では債務超過となっていない(負債が資産を上回っていない)状態のことです。
この状態であれば、原則、事業の継続性があると認められます。ただし、今後1年間の事業計画書や予想収益を示した資料の提出を求めることとされていますし、当該資料の内容によっては、中小企業診断士や公認会計士等の第三者が評価した書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出をさらに求める場合もあります。

★直近期において債務超過であるが、直近期前期では債務超過となっていない場合
これは、直近期において赤字であり、かつ、債務超過となったが直近期前期では債務超過となっていない状態です。この状態の場合、事業の継続性を認め難いといえます。(債務超過となった場合、一般的には企業としての信用力が低下し、事業の存続が危ぶまれる状況であるため。)しかし、債務超過が1年以上継続していない場合に限り、1年以内に具体的な改善(債務超過の状態でなくなることをいう。)の見通しがあることを前提として事業の継続性を認めることとします。

★直近期及び直近期前期ともに債務超過である場合
これは、債務超過となって1年以上経過しても債務超過の状態でなくならなかった状態です。
この状態の場合、事業の存続について厳しい財務状況が続いていること及び1年間での十分な改善がなされていないことから、事業の継続性があるとは認められません。

まとめ

☑ 外国人と雇用、委任等の契約を行い、日本人と同等額以上の報酬を支給すること
☑ 外国人の学歴(学士・短期大学士・専門士いずれか)があり、関連する業務に従事させること
☑ 外国人の学歴がない場合、業務に関連する実務経験(学生時代のアルバイトを除く)が10年以上(国際業務の場合は3年以上)あること
☑ 雇用する企業が、直近2年以上、債務超過に陥っていないこと

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