1. お客様からの相談メールをご紹介
神奈川県在住の中国人の方から、このようなお問合せをいただきました。
帰化申請についてご相談させていただきたく、ご連絡申し上げました。
私は現在22歳の中国人で、8年前に家族一緒に来日し日本に居住しております。
両親は共に日本に在住しており、父は就労ビザ、私と母は家族滞在ビザを所持しております。
現在は大学生で、このたび、一人で、または母と共に日本への帰化申請を検討しております。
つきましては、帰化申請に必要な条件や手続き、必要書類等について、ご助言いただけますと幸いに存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
日本に滞在する外国人の総数が増えるにつれて、「家族滞在」ビザで来日する子供も相対的に増加しています。
こうした方々が成長し、進学や就職を経て「日本に帰化できるのか?」と考える場面も少なくありません。
ここでは、お客様からのご相談を例に、家族滞在ビザの大学生が帰化申請できるのか?について解説します。
2. 大学生でも帰化申請は可能?
今回の解説は 帰化申請の住所要件に絞った説明 になります。
帰化申請の主な条件には、次のようなものがあります。
- 引き続き5年以上、日本に住所を持っていること
- そのうち少なくとも3年以上は就労していること
ただし、家族滞在ビザの場合、「就労ビザを持つ外国人に扶養されること」が前提のビザであり、5年以上日本で暮らしていても「そのうち少なくとも3年以上は就労していること」という条件には当てはまりません。しかし、
- 引き続き10年以上日本に「居所」を有していること
という条件をクリアしている場合、「5年以上日本に住所を有すること」という要件が緩和され、家族滞在ビザであっても帰化申請が出来る可能性があります。
3. 今回のケースでは?
ご相談者様は中学生の頃から日本に住み、来日8年目で大学在学中。父は就労ビザを持っていますが、ご本人と母親は家族滞在ビザのままです。
子供が父親や母親と一緒に帰化申請をする場合、どちらか一方の親が帰化の要件を満たしていれば、子供も併せて申請することが可能です。
そのため、ご相談者様が帰化申請をする場合、このようなパターンが考えられます。
- 一人で帰化申請 → 要件を満たしていないため申請できない
- 父と子で帰化申請 → 父が要件を満たしているため一緒に申請できる可能性あり
- 母と子で帰化申請 → 母が要件を満たしていないため申請できない
つまり、ご相談者様の場合は「父親と一緒に帰化申請を行う」という方法であれば帰化申請をすることが可能です。
一方で、ご相談者様の希望である、お一人での申請や母親と一緒の申請は、要件を満たしていないためできません。
4.いつになったら帰化申請できる?
お一人での申請する場合は、あと2年経過すれば可能になります。
また、現在22歳とのことですが、大学卒業後就職し、社会人として申請する場合はご自身の経済状況が重要になります。一方、進学等で学生として帰化申請をする場合は「親の収入・納税状況などで生活基盤を証明できるか」が重要になります。
5.まとめ
大学生であっても、条件を満たせば帰化申請は可能です。
ただし、家族滞在ビザのままでは「独立して生計を営んでいる」とは評価されにくく、単独申請は難しいのが実情です。
今回のケースのように、親が要件を満たしていれば「親子で一緒に申請」する方法が現実的です。
また、将来的に一人で申請する場合は、就労ビザに変更して安定した収入を得た後に申請するか、通算10年以上の在留を目指す必要があります。
焦って不十分な条件で申請するよりも、しっかり要件を満たした上で準備を進めることをおすすめします。

コモンズ行政書士事務所
代表行政書士 山中 健司
プロフィール
2011年8月 コモンズ行政書士事務所を開業
専門分野
帰化・永住・ビザ申請・会社設立・各種許認可




