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Q:家族滞在ビザでの滞在中に離婚した場合、ビザはどうすればよいですか?
私は現在、家族滞在ビザを保有している外国人です。結婚後に家族滞在ビザで来日し、3年が経過しました。
当初は夫婦生活も順調でしたが、次第にすれ違いが増え、喧嘩が多くなったことで、最終的に離婚することになりました。子どもがいることもあり、日本での生活に慣れてきたため、可能であれば今後も日本で生活を続けたいと考えています。
この場合、離婚後のビザはどのようにすればよいでしょうか?
A:家族滞在ビザは「主たる在留資格を持つ配偶者や親族との同居・扶養」を前提として発給されているため、離婚によりその前提が崩れると、ビザの更新や継続が難しくなります。
そのため、離婚後も日本に残るには、入管に「配偶者に関する届出」を提出し、さらに「離婚から3か月以内に在留資格の変更申請」を行う必要があります。変更が許可されれば、引き続き日本に在留することが可能です。
「配偶者に関する届出」とは
配偶者と離婚または死別した家族滞在ビザを有する外国人は、これらの事由が生じた日から14日以内に、入管法第19条の16第3号に基づき「配偶者に関する届出」を行う必要があります。
届出の方法は、以下のいずれかを選択できます。
- インターネットによる届出
- 窓口への持参
- 郵送による届出
届出には、所定の様式への記入が必要です。詳細については、入国管理局の公式ホームページをご確認ください。
なお、届出を怠った場合は、原則として義務違反者とみなされ、次回のビザ申請に影響を及ぼす可能性があります。そのため、必ず期限を守って届出を行うようにしてください。
「離婚から3か月以内に在留資格の変更申請」とは
入管法第22条の4には、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わない場合などに、当該外国人の在留資格を取り消す制度が規定されています。具体的には、当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合(ただし、正当な理由がある場合を除く)に、在留資格が取り消される可能性があります。
これに関連し、例えば「家族滞在」の在留資格を有する者が離婚後も引き続き日本に在留を希望する場合、離婚後速やかに(原則として3か月以内に)在留資格変更許可申請を行うことが推奨されます。
この期間を過ぎた場合、在留資格の変更許可申請において不利に働く可能性があるため、離婚後は速やかに申請手続きを進めることが重要です。
家族滞在ビザから変更できるビザについて
日本人の配偶者や永住者の配偶者の方が離婚した場合、一定の要件を満たしている場合は定住者というビザに変更できる可能性があります。ただし、家族滞在ビザのの方が離婚した場合は、どうしても帰国することが前提となっています。
ただし、一定の学歴や職歴がある場合は、就労ビザへ変更できる可能性があります。また、別の外国人や日本人と再婚をした場合、結婚相手によって家族滞在ビザのまま、もしくは日本人の配偶者等ビザや永住者の配偶者等ビザに変更することで日本に滞在することができます。
日本での暮らしが長く、本国へ帰国しても仕事を探す事も難しく友人や家族もいないので生活をすることが難しい場合は特別に在留が認められるケースもありますが、来日して3年程度の場合は、特別に在留が認められることはほぼ不可能だと考えてください。
離婚後のビザ申請は専門家に依頼しましょう
離婚後の在留資格申請を行う際には、婚姻期間を証明する資料、婚姻関係に実体があったことを示す証拠、離婚に至った経緯を説明する書類、そして日本での引き続き在留を希望する理由書を準備することが重要です。これにより、在留資格に基づく活動に疑義がないことを示し、申請者の日本での生活基盤や定着性を立証することが求められます。
離婚後に申請される在留資格としては、主に定住者ビザが挙げられます。この定住者ビザ申請は、いわゆる告示外の在留資格申請に該当し、明確な許可基準が設けられていないため、慎重かつ丁寧な準備が必要とされる難易度の高い手続きです。
そのため、離婚後の在留資格申請には、多くの必要書類を収集するとともに、申請者自身の状況を詳細に説明する独自の書類を作成する必要があります。こうした複雑な手続きを円滑に進めるためには、行政書士の専門的なサポートを受けることが有効です。
離婚後の在留資格申請について不明点やお困りの点がある場合、または専門的なアドバイスを必要とされる場合は、ぜひ行政書士にご相談ください。専門知識を持つ行政書士が、法的根拠に基づき適切なアドバイスとサポートを提供します。