中国の親と一緒に暮らすために永住ビザから高度ビザに変更できますか?

1. お客様からの相談メールをご紹介

千葉県在住の中国人女性(永住者)からこのようなお問い合わせを頂きました。

こんばんは、中国に居る離婚している一人暮らしのお母さんを日本に呼び寄せたいです。

どのような手続きをしたら一緒に居られるのでしょうか?

教えて頂きたいです。

日本の入管制度では、永住者が日本に呼べる家族は、原則として「配偶者」や「未成年・未婚のお子さん」に限られています。残念ながら、親を呼ぶことは認められていません。

そのため、永住者のままでは親を呼ぶことはできませんが、「高度専門職ビザ」に変更することで可能性が広がります。

高度専門職ビザには特別な優遇措置があり、一定の条件を満たす場合には、親を日本に呼んで一緒に暮らすことも認められているのです。

2. 高度専門職ビザと親の帯同(特定活動34号)とは?

高度専門職ビザとは、日本政府が 優れた能力を持つ外国人材の受け入れを促進するために設けた在留資格 です。法務省が定めるポイント制に基づき、学歴・職歴・年収・研究実績などを評価し、一定の点数(原則70点以上)を獲得した外国人に与えられます。

高度専門職ビザには特別な優遇制度があり、そのひとつが 親の帯同を認める仕組み(特定活動34号) です。

  • 呼び寄せできるのは 高度専門職本人またはその配偶者の親
  • 子どもが 7歳未満 で、その養育支援を目的とすること
  • または、配偶者が妊娠中・本人や配偶者が出産予定 であること
  • 世帯年収800万円以上 あること
  • 日本で高度専門職本人と同居すること

3. 高度専門職ビザで呼べるのは「本人側の父母」か「配偶者側の父母」のどちらか一方

高度専門職ビザでは親を呼ぶことが可能ですが、気になるのはその 人数制限 です。

高度専門職ビザを持つ外国人が自分、または配偶者の親を日本に呼べる人数は、一度の申請につき最大2人まで とされています。

この2人は「本人の両親」または「配偶者の両親」のいずれかに限られ、夫婦双方の親を同時に呼ぶことは認められていません

そのため、申請の際には「どちらの親を呼ぶのか」を明確にし、同居予定やサポート内容、年収要件を丁寧に示す必要があります。

なお、制度上は「まず夫の母を呼び、数年後に妻の父と交代する」といった方法も可能です。

4. 事例紹介:永住から高度専門職ビザへ切り替えたケース

事例:千葉県在住の中国人女性

実際にご相談をいただいたケースをご紹介します。

千葉県にお住まいの中国人女性は、約2年前に日本人のご主人との間にお子さんを出産されました。

育休を終えて職場復帰を控える中で、「仕事と育児を両立するために、中国に住む母親に日本へ来てもらいたい」という強い希望をお持ちでした。

ところが、当時お持ちだった永住ビザには親を呼び寄せる制度がなく、別の方法を探さざるを得ませんでした。

💡申請のポイント 
  • 約2年前に日本人夫との間に子どもを出産
  • 育休から復職するにあたり、中国の親を呼びたいと希望
  • 永住ビザを持っていたが、親を呼ぶ制度がないため、高度専門職ビザへ変更を検討

そこで検討したのが「高度専門職ビザ」への切り替えです。ポイント計算を行ったところ、彼女は 80点以上 を満たしており、さらに世帯年収も 800万円超。これにより、特定活動34号の条件に合致すると判断されました。

💡許可になったポイント 
  • ポイント計算を行ったところ 80点以上 をクリア
  • 世帯年収も800万円を超えており、特定活動34号で親の帯同が可能と判断
  • 最終的に「高度専門職ビザ+親の特定活動34号」での同居が実現しました

高度専門職ビザに変更したことで、親を「特定活動34号」で呼び寄せることが可能となり、最終的に母親を日本に帯同させることに成功しました。現在は、母親が子育てをサポートしてくれており、安心して仕事に復帰できたと大変喜ばれています。

5. 高度専門職ビザ申請に必要な書類

  • 在留資格変更許可申請書
  • 履歴書
  • 在留カード写し
  • 住民票
  • 高度専門職ポイント計算表
  • 学歴証明書(卒業証明書)
  • 職歴証明書(在職証明書など)
  • 年収を証明する書類(源泉徴収票、課税証明書など)
  • 日本語能力試験N1やBJTスコア証明(あれば加点)
  • 勤務先の登記事項証明書
  • 決算報告書や会社概要資料
  • 契約書、雇用証明書
  • 勤務先の登記事項証明書
  • 決算報告書や会社概要資料
  • 契約書、雇用証明書

6. 先生のコメント

今回のように高度専門職ビザを活用して親を呼ぶ場合、いくつかの重要な注意点があります。

まず、世帯年収が800万円を下回ると不許可のリスクが高まるため、収入の証明は非常に重要です。

また、親を帯同できるのは「7歳未満の子どもの養育」や「妊娠・出産のサポート」といった目的に限られており、理由が明確であることが不可欠です。

さらに、実際に親と同居することを示すために、賃貸借契約書や住民票といった住居関連の資料を準備することも求められます。

あわせて、高度専門職ポイントを満たしていることを裏付ける職歴証明や学歴証明などの客観的資料を丁寧に揃えることが、許可を得るための大きなポイントとなります。

特定活動34号はあくまで限定的な制度ですが、子育てや妊娠中の支援を受けたい方にとっては大きな助けになります。

永住ビザから高度専門職ビザへの切り替えを検討する方は、ポイント計算や年収要件を満たしているかを早めに確認し、入管に伝わる形で資料を揃えることが成功のカギです。

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