入管窓口の許可手数料の引き上げについて
令和8年3月10日の閣議で、在留資格の変更・更新申請および永住申請の手数料に関する法律案が決定されました。今後、国会で審議される予定です。
本記事では、法律案の内容をもとに、手数料の見直しについてわかりやすく解説します。
いつから?
施行時期は、令和9年(2027年)3月31日までの間で政令により定める日とされています。
そのため、すぐに手数料が変わるわけではありません。
法律が成立した後、政府が定める施行日から新しい手数料が適用される予定です。
変更内容
法律案では、入管法上の手数料の上限額を次のとおり引き上げるとされています。
- 在留資格の変更許可 → 10万円(現行:6,000円)
- 在留期間の更新許可 → 10万円(現行:6,000円)
- 永住許可 → 30万円(現行:10,000円)
上限額とは?
「上限額」とは、手数料の最大額を意味します。
法律案では、手数料は在留期間に応じて定めるとされており、例えば「1年」「3年」「5年」などの在留期間ごとに金額が設定される可能性があります。
そのうえで、変更・更新は最大10万円、永住許可は最大30万円とする枠組みが示されています。
なお、具体的な金額は法律成立後に政令などで定められる予定です。現時点では、上限が10万円(永住は30万円)に引き上げられる案が示されている段階です。
手数料の減額又は免除について
法律案では、人道的観点から、経済的困難その他特別の理由がある場合には、手数料を減額または免除できるとされています。
つまり、原則として減額・免除は想定されておらず、例外的に特別な事情がある場合に限り認められる仕組みと考えられます。
また、永住許可については、減額・免除の対象として日本人・永住者・特別永住者の配偶者や子などが想定されている旨も示されています。
一方、在留資格の変更や更新については、現時点で具体的な対象例は示されていません。今後、個別の事情に応じて運用されるものと考えられます。
なぜ手数料が引き上げられる?
政府は、手数料の見直しにあたり、
- 諸外国の同種手数料の水準
- 応益的要素(サービス利用者の負担)
- 政策的要素
を勘案するとしています。
まず、日本の入管関係の手数料は諸外国と比べて低い水準にあるとされており、その水準を踏まえて見直すという考え方です。
また、在留資格の審査や在留管理には一定の行政コストがかかるため、サービスを利用する側が費用の一部を負担するという応益負担の考え方も示されています。
さらに政策的要素として、日本に適法に在留する外国人が安定して生活・在留できるようにするための支援にかかる費用も考慮するとされています。
つまり、手数料は行政コストや国際的な水準などを踏まえ、総合的に見直されるという考え方です。
先生のひとこと
今回の法律案は、あくまで手数料の「上限額」を定めるものであり、実際の金額は今後、国会審議を経た上で政令や具体的な運用により決まることになります。ただし、現在の手数料水準と比較すると、大きな見直しとなる可能性が高いと考えられます。今後の制度設計の動向は引き続き注視する必要があるでしょう。
また、手数料は単なる負担の問題にとどまらず、日本で適法に生活する外国人にとっては在留の基盤にも関わる制度です。利用者の負担と制度の持続性とのバランスがどのように図られていくのか、実務の視点からも今後の動向を見ていきたいと思います。
