海外生活の夫婦が帰国せずに日本の配偶者ビザを取得する方法
海外在住のご夫婦が日本へ移住する場合、配偶者ビザの申請方法は、夫婦ともに海外にいながら行う方法と、日本人配偶者だけが先に帰国して行う方法の大きく2つに分かれます。
このページでは、夫婦が帰国せずに「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請を行うケースについて、日本国内の親族が行うことやよくあるご質問を中心に解説します。
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海外生活の夫婦が日本の配偶者ビザを取得できるか?
結論からいうと、ご夫婦ともに海外で生活している場合でも、日本の配偶者ビザを取得することは可能です。
ただし、海外にいながら申請を進める場合は、日本国内にいる親族の協力が必要になります。「なぜ日本国内の親族の協力が必要なの?」と思われる方も多いかもしれませんが、その理由については後ほどわかりやすくご説明します。
では実際に、日本国内の親族にはどのような対応をお願いする必要があるのか、順番に見ていきましょう。
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海外在住の夫婦が日本へ移住する際の配偶者ビザ申請の方法や要件、サポート料金など気になる情報はこちらのページで詳しく解説しています。日本にいるご家族からの相談も歓迎しています。
日本国内の親族が行う5つのこと
海外から配偶者ビザ申請を行う場合は、日本国内の親族に申請代理人として協力してもらう必要があります。実際に協力してもらうことは大きく5つあります。なお実務上は、日本人配偶者のご両親のいずれか一名が申請代理人となるケースが多く見られます。
1、市区町村役場で戸籍謄本を取得する
配偶者ビザ申請では、婚姻関係を証明するために戸籍謄本が必要となります。この取得を、日本人配偶者に代わって親族が行います。
なお、「親自身の書類も必要ですか?」というご質問がありますが、申請代理人としての協力のみの場合は、原則として親の書類は不要です。
※ 親が身元保証人としても協力する場合には、住民票、課税証明書、住民税納税証明書、預金残高証明書などの書類準備が必要になります。
2、海外にいるご夫婦から申請書類を受け取り、必要箇所に署名する
配偶者ビザの申請手続きは、日本国内にいる親族が行います。
海外から直接、日本の入管へ郵送申請やオンライン申請を行うことはできません。
そのため、まずは海外にいるご夫婦から、日本国内の親族へ申請書類一式を送付します。
国内親族は、受け取った書類の必要箇所へ署名を行います。
※ 弊所へご依頼いただく場合、海外から原本を郵送いただく必要はありません。オンライン申請に対応しておりますので、必要資料をメールでお送りいただければ申請手続きが可能です。
3、身分証を持参し、入管で申請手続きを行う
申請時には、顔写真付きの身分証の提示が必要になります。
また、国内親族から入管へ郵送申請することはできず、原則として窓口へ持参して提出する必要があります。
最近ではオンライン申請も利用できますが、事前登録や申請書の入力作業が必要となるため、実際には負担が大きく、途中で断念されるケースもよくあります。
※ 弊所へご依頼いただく場合、国内親族が入管窓口へ行く必要はありません。
4、入管から追加書類の指示があれば対応する
申請後の審査期間は、目安として約3か月前後です。
その間、入管から追加書類の提出を求められる場合があります。
追加提出には期限が設けられているため、速やかな対応が必要になります。
審査中は「何か連絡が来ないか」と不安になりやすい時期でもあります。
※ 弊所へご依頼いただく場合、通常、入管から日本国内の親族へ直接連絡が入ることはなく、追加の対応も原則として不要です。なお、入管からの連絡対応を含め、弊所にて一貫してサポートが可能です。
5、結果通知を受け取り、海外の申請人へ送付する
許可となった場合は、「在留資格認定証明書」が発行されます。
通常は、入管から申請代理人となる国内親族宛てに郵送されます。
紙の認定証明書の場合は、海外にいる申請人へ原本を郵送する必要があります。
これは、来日前に現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)手続きを行う際に必要となるためです。
※ 弊所へご依頼いただく場合、原則としてオンライン申請により結果を受領します。認定証明書も電子データ(メール)で発行されるため、メール転送のみで対応可能です。そのため、国内親族から海外へ書類を郵送する必要はありません。
国内親族は身元保証人としても協力すべきか?
まず、申請代理人は在留資格認定証明書の申請手続きを行う人であり、身元保証人は日本での生活費や帰国費用などを保証する立場の人をいいます。
今回のように、海外生活のご夫婦が帰国せずに配偶者ビザ申請を行う場合は、海外にいる日本人配偶者が身元保証人となり、日本国内の親族が申請代理人として手続きを行う形が基本となります。
一方で、日本人配偶者に加えて、親も身元保証人を担うことも可能です。つまり、親が申請代理人として手続きのみを行うのか、申請代理人に加えて身元保証人としても協力するのかは選択できます。
実務上は、審査における保証面の補強になるため、親には申請代理人に加えて身元保証人としても協力してもらうケースが多い傾向があります。そのため、来日後の収入や預貯金などの生活基盤に不安がある場合には、親にも身元保証人として協力してもらう方法が有効です。
なお、ビザ申請における身元保証は法的な強制力を伴うものではなく、万が一、申請人の来日後に問題が生じた場合であっても、身元保証人が法的責任を負う性質のものではありません。
海外生活のご夫婦が、帰国せずに配偶者ビザを取得した事例
ご相談から許可までの流れ
| 内容 | 日付 |
|---|---|
| 相談日 | 2025年07月21日 |
| 依頼日 | 2025年07月29日 |
| 申請日 | 2025年09月09日 |
| 許可日 | 2026年01月30日 |
ご相談時の主な状況
- まだ本国での結婚手続きが完了していない
- 申請時点では、ご夫婦とも日本国内での就労先が未定
- 日本人配偶者の方は3回目の婚姻
- 国内の父が申請代理人として協力可能であること
海外在住のためZoomでご相談
お客様は海外にお住まいだったため、初回相談からZoomにて対応しました。
面談後、ご家族と最終確認のうえ正式にご依頼いただき、本国での結婚手続きと、日本の在留資格申請を並行して進める方針となりました。
結婚手続きと申請を同時進行した理由
今回のケースでは、申請後に結婚証明書を追加提出できる見込みがあり、お客様と話し合ったうえで、先に在留資格認定証明書交付申請を行い、その後に本国の結婚証明書を追完するスケジュールで進めました。
なお、10月に本国で結婚手続き(報告的手続き)を行う予定だったため、8月から9月にかけて申請書類を準備・作成し、先行して申請を実施。審査中に追加資料を提出する流れで進めていきました。
海外在住のご夫婦にご準備いただいた書類
- ヒアリングシートのご回答
- 申請人のパスポート写し
- 第三国の結婚証明書および翻訳文
- ご夫婦の写真
- チャット履歴
※ 質問書や身元保証書など署名が必要な書類については、メールでデータ送付後、現地で印刷・署名いただき、写真データにて返送いただきました。
日本国内の親族がお父様にご準備いただいた書類
- 戸籍謄本
- 住民票
- 在籍証明書
- 令和7年度 課税所得証明書
- 令和7年度 住民税納税証明書
- 銀行預金残高証明書
※ 今回のケースでは、日本国内にお住まいのお父様が申請代理人兼身元保証人となったため、身元保証人として必要な書類をご用意いただきました。
結婚証明書は審査中に追加提出
予定どおり、本国での結婚手続き完了後に結婚証明書を取得できたため、入管へ追加提出を行いました。
結婚証明書および翻訳文は、メールで写真データを送付いただき、弊所がオンラインシステム上で追加提出を実施しています。
このように、ケースによっては「後日提出予定の資料」を前提として申請を進められる場合もあります。
審査期間は4か月21日
今回の審査期間は、申請から許可まで4か月21日でした。
出入国在留管理庁が公表している標準処理期間は「約1か月〜3か月」ですが、実際には管轄入管の混雑状況などにより、さらに時間を要するケースも少なくありません。
今回は東京入管での申請でしたが、同じ管轄でも半年以上を要する事例もあるため、比較的早い審査結果であった印象です。
なお、本国情勢の悪化について別紙で事情説明を行い、早期審査の必要性を丁寧に伝えたことも、結果に影響した可能性があります。
ご注意いただきたいポイント
今回のケースでは、在留資格認定証明書交付申請中に、ご夫婦が一時的な来日を希望し、短期滞在ビザの申請を試みる場面がありました。しかし在外公館において、「すでに認定申請中である以上、短期滞在ビザの必要性が不明確である」との理由から、申請は受理されませんでした。
短期滞在ビザ免除国の場合は、認定申請中であっても来日できることが一般的ですが、査証(ビザ)が必要な国では、認定申請中の短期滞在ビザ申請が受理されないケースが見られます。
もっとも、個別事情によって判断は異なるため一概にはいえませんが、査証(ビザ)が必要な国では、実務上「認定申請中の短期滞在ビザ申請は難しい」というのが現場の感覚です。
海外にいながら配偶者ビザを取得するときのよくある質問
なぜ日本の親族の協力が必要なのですか?
これは、入管法上のルールによるものです。
配偶者ビザを取得するためには、まず日本国内の入国管理局で「在留資格認定証明書」の申請を行う必要があります。
この手続きは、申請人本人または代理人が行うことになっており、ご夫婦が海外にいながら申請を進める場合、日本国内に住む親族が代理人となって申請します。
なお、行政書士は「代理人」にはなれませんが、「申請取次者」として、申請書類の作成や提出を代行することができます。
「親族」とはどこまでの範囲を指しますか?
入管法では、親族の範囲について明確な定めはありません。
一般的には、民法上の親族の考え方を参考にし、6親等内の血族、3親等内の姻族が親族にあたります。
実務上は、ご両親のどちらかに代理人をお願いするケースが多く見られます。
ご両親が難しい場合には、兄弟姉妹や、おじ・おばに協力していただくケースが一般的です。
通常の配偶者ビザ申請との違いはありますか?
大きな違いは、日本人配偶者に代わって、日本国内の親族が代理人として申請する点です。
そのほかの申請手続きや審査期間については、日本人配偶者が申請手続きを行う通常の配偶者ビザ申請と基本的に変わりありません。
夫婦ともに海外にいながら申請を進める場合、審査で不利になりますか?
ご夫婦ともに海外在住であることによって、不利になることはありません。
また、審査が特別に厳しくなるわけでもありませんので、ご安心ください。
入管のルールに沿って適切に申請を行えば、審査は通常の配偶者ビザ申請と同じ基準で行われます。
必要な書類や要件をきちんと整えて申請すれば、過度に心配する必要はありません。
第三国の結婚証明書だけで配偶者ビザ申請はできますか?
ケースバイケースですが、原則として第三国の結婚証明書のみでは申請は難しいです。
配偶者ビザ申請では、通常、日本と外国人配偶者の「国籍国」において婚姻が有効に成立していることが求められます。
そのため、外国人配偶者の国籍国で結婚手続きが未了の場合は、原則としてその手続き完了後に申請を進めることになります。
もっとも、事情によっては、日本側で婚姻が成立していることのみで申請を進められるケースもあります。
来日時点で夫婦ともに日本国内の就労先がありませんが、大丈夫ですか?
ご夫婦に十分な預貯金がある場合や、日本国内の親族に身元保証人として協力いただける場合は、経験上大丈夫です。
なお、国内親族の協力を受けず、ご夫婦のみの資産状況で申請を行う場合は、実務上、300万円程度の預貯金が一つの目安となります。
3回目、4回目の結婚でも配偶者ビザは許可されますか?
過去に複数回の婚姻歴があることだけを理由に、不許可となるわけではありません。実際に、3回目・4回目の婚姻で許可されているケースもたくさんあります。
もっとも、婚姻回数が多い場合は、入管から結婚の経緯や実態について慎重に確認される傾向があります。
そのため重要なのは、「偽装結婚ではないこと」を、客観的な資料や説明を通じて丁寧に示すことです。
お二人の交際経緯や結婚に至った背景に沿って、申請書類や補足説明書をしっかり作成することが、許可に向けて非常に重要になります。
もし日本国内に協力できる親族がいないとき
実際に、「日本国内に協力をお願いできる親族がいない場合はどうしたらよいですか?」というご相談をいただくことがあります。
そもそも日本国内に親族がいない場合や、親族関係の事情により協力をお願いできない場合、またはご高齢等の事情から実際の対応が難しいケースもあります。
このような場合は、手続き上、海外にいながら申請を進めることが難しくなるため、実務上は、申請人本人または日本人配偶者が一時帰国し、日本国内で直接申請を行う方法が、現実的な対応となるケースが多いです。
なお、「遠い親戚であれば協力してもらえる」という場合については、入管法上、「親族」の範囲が明確に定められていないため、個別事情によっては、遠縁の親族であっても申請代理人として認められる可能性があります。
ただし、これはあくまで例外的な取り扱いであり、必ず認められるものではありません。
そのため、実際に手続きを進める前に、事前に管轄入管へ相談し、その方が申請代理人として認められるかを確認しておくことをおすすめします。
先生のひとこと
今回は、ご夫婦ともに海外で生活しながら、日本国内の親族に協力してもらい、配偶者ビザ申請を進めるケースについてご紹介しました。
実際には、「仕事や生活の都合ですぐには帰国できない」「夫婦一緒に日本へ移住したい」といった理由から、海外にいながら申請を進めたいというご相談は少なくありません。
また、海外から申請手続きを行うにあたって、「親族の書類は何が必要か」「どこまで親族に対応してもらう必要があるのか」といった点で悩まれるケースも多く見受けられます。
弊所では、海外在住のご夫婦からのご相談にも対応しており、できる限りご負担を減らしながら手続きを進められるようサポートしておりますので、ご不安な点があればお気軽にご相談ください。
もっとも、ご夫婦の状況によっては、日本人配偶者が先に帰国して申請を行う方法や、短期滞在で一緒に来日してから手続きを進める方法の方が適しているケースもあります。
配偶者ビザ申請は、「どの方法で進めるか」によって必要書類や準備の流れが変わってきます。
そのため、海外在住の方が配偶者ビザ申請を検討される場合は、ご自身たちの状況に合った進め方を選ぶことがとても重要です。
弊所では、海外在住の方向けに、日本人配偶者が先に帰国して申請するケースや、短期滞在ビザで夫婦一緒に来日してから配偶者ビザ申請を行うケースについてもご案内しておりますので、あわせてご参考いただければと思います。
この記事の監修者
代表行政書士
山 中 健 司
Kenji Yamanaka- 所属団体:日本行政書士会連合会、大阪府行政書士会
- 登録番号:第11261315号
- 登録資格:特定行政書士/申請取次行政書士
-
大阪出身。在留資格や帰化申請、化粧品・医薬部外品許可申請などを中心にサポート。依頼者との出会いを大切にし、「出会えてよかった」と思ってもらえる関係づくりを大事にしています
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