【配偶者ビザ不許可事例を深堀り①】相手国の結婚証明書が準備できない
実は、配偶者ビザ申請でよくあるケースの一つに「相手国の結婚証明書が準備できない」という事例があります。
このページでは、実際によくある不許可事例をもとに、どのような点が問題視されるのかを分かりやすく解説していきます。
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配偶者ビザ申請では「申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書」の提出が必要です。
しかし、国によっては発行制度や手続き方法が大きく異なり、取得できない・時間がかかる・代替書類が必要になるケースもあります。
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目次
相手国の結婚証明書が準備できないと不許可になるって本当?
配偶者ビザ申請では、結婚しているという事実だけでなく、婚姻の成立方法や各国の法律との関係なども含めて審査が行われます。特に国際結婚の場合、日本では婚姻が成立していても、相手国の法律上の手続きが完了していないことが問題となるケースがあります。
ここでは実際の不許可事例として、「本国で婚姻手続きが完了していなかったケース」をもとに、なぜ不許可となったのかを解説します。
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なお、配偶者ビザの不許可にはさまざまな理由があります。配偶者ビザの不許可理由の全体像や再申請の対策については、こちらのページで詳しく解説しています。
事例の概要
- 日本人の夫
- ネパール人の妻(就労ビザで在留中)
- 日本ではすでに婚姻成立
- ネパールでは婚姻手続き未了
このご夫婦が、就労ビザから「日本人の配偶者等」への在留資格変更申請を行いました。結果は不許可でした。
不許可の理由
通知書受領後、入管から示された主な理由は次のとおりです。

要するに
- ネパールで正式な婚姻が完了していない
- 「仕事が忙しくてネパールへ渡航できない」という理由だけでは認められない
つまり、本国で婚姻が成立していないことが問題となりました。
なぜ本国婚姻が重要なのか
配偶者ビザは、法律上、有効な婚姻が成立していることが前提です。これは原則として、日本法上も有効であり、かつ相手国法上も有効であることの両方が確認されることが求められます。
ネパールでは、当事者が現地の役所に出頭して婚姻登録を行う必要があります。本件では、日本人夫が仕事の都合で長期休暇を取れず、ネパールへ渡航できないため本国婚姻ができない、という事情がありました。しかし入管は、これを本人の都合と判断しました。
「人道的な配慮」とは何か
入管からは、『本人の都合であり、人道的な配慮は難しい』という説明もありました。では、人道的な配慮とは何でしょうか。たとえば、次のような事情です。
- 重い病気で渡航できない
- 戦争や政情不安で帰国できない
このような、本人の努力ではどうにもならない客観的事情がある場合、例外的に配慮が認められる可能性があります。
実際に「人道的配慮」が考慮された可能性のある事例
実際に、「日本で婚姻成立」「相手国では婚姻未了」という状況でも、許可された事例は存在します。たとえば、次のような例です。
- ネパール:新型コロナ禍で渡航できなかった
- エジプト:日本人配偶者に幼い子どもがおり長期渡航が困難だった
- ミャンマー:本国情勢不安により渡航を断念した
いずれの国も、本国の役場で夫婦そろって手続きを行う必要がありました。しかし、これらの事例には本人の努力だけでは解決できない事情が存在し、その事情が「人道的配慮」として考慮され、日本側の婚姻成立のみで許可された可能性があると考えられます。
駐日ネパール大使館の証明書について
ネパールの別案件では、日本で婚姻後、駐日ネパール大使館へ報告を行い、証明書が発行されました。その書類には、『関係者から当大使館に提供された情報および日本の婚姻届受理証明書に基づき、両名が結婚したことを証明する』という趣旨の記載がありました。
ただしこれは、ネパール本国で婚姻が成立したことを証明する書類ではありません。それでも、その書類をもとに事情を説明し、許可された事例があります。
この事例の結論
本件では、本国での婚姻が未了であり、婚姻成立にはネパール渡航が必要である一方、渡航できない理由が「仕事の都合」であったため、本人の努力ではどうにもならない客観的事情があるとは評価されず、人道的配慮の対象とは認められなかった結果、不許可となったものと考えられます。
管轄や申請内容によって判断が分かれることもある
ただし、別管轄では、日本人男性とカンボジア人女性の在留資格認定証明書交付申請において、仕事の都合で海外側の婚姻手続きができず、日本のみで婚姻を成立させ、相手国未了の状態で申請し許可された事例もあります。
このことから、結婚手続きができない事情について、たとえ「仕事」を理由とする場合であっても、一律に否定されるわけではないことが分かります。入管の判断は、管轄や事情説明の内容、立証の程度によって結果が異なることがある点は、実務上の重要なポイントです。
重要なポイント
- 本国婚姻は原則として必要
- 日本婚姻のみで許可されるのは例外
- 例外が認められるのは「人道的理由」がある場合
- 仕事の都合は通常弱い理由
- 管轄や事情の説明内容によって結果が変わることがある
まとめ
配偶者ビザは、「日本で結婚している」だけでは足りません。相手国でも有効に成立していること、または成立していない場合には、やむを得ない事情があることを客観的に示す必要があります。
人道的理由が認められれば許可の可能性はありますが、本人都合と判断されれば許可は難しくなります。国際結婚の在留申請では、法律上の成立と、その説明・立証の組み立てが重要です。
この記事の監修者
代表行政書士
山 中 健 司
Kenji Yamanaka- 所属団体:日本行政書士会連合会、大阪府行政書士会
- 登録番号:第11261315号
- 登録資格:特定行政書士/申請取次行政書士
- 大阪出身。在留資格や帰化申請、化粧品・医薬部外品許可申請などを中心にサポート。依頼者との出会いを大切にし、「出会えてよかった」と思ってもらえる関係づくりを大事にしています
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