医師・歯科医師などの国家資格を持って働く医療ビザ申請
医療ビザは、医師や歯科医師をはじめ、日本の医療関係の国家資格を有する外国人が取得できる就労ビザです。 対象となるのは、法令で定められた14種類の国家資格に限られます。
本記事では、医療ビザの取得要件や申請時の注意点について分かりやすく解説します。
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目次
医療ビザとは
医療ビザとは、日本の医療関係の国家資格14種類のいずれかを有する外国人が、日本国内で医療業務に従事するために取得する就労ビザです。
| 在留資格名 | 日本で行うことができる活動 | 在留期間 |
|---|---|---|
| 医療 | 医師,歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 | 5年,3年,1年又は3月 |
医療ビザの条件
医療ビザを取得するためには、主に次の2つの条件を満たす必要があります。
- 医療ビザの対象となる14種類の国家資格のいずれかを有していること
・准看護師として業務に従事する場合は、免許取得後4年以内の期間に研修として業務を行うこと
・薬剤師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士または義肢装具士として働く場合は、医療機関または薬局に招へいされていること - 日本人が同様の業務に従事する場合と同等額以上の報酬を受けること
医療ビザを取得できる14種類の国家資格について
医療ビザを取得できるのは、法律で定められた以下の14種類の医療関係国家資格を有する方に限られます。
| 資格区分 | 対象資格 |
|---|---|
| 医療 | 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士 |
准看護師としての4年の研修業務とは
准看護師として医療ビザを取得する場合には、免許取得後4年以内であることが条件となります。また、その期間中は研修としての業務に従事することが求められます。このため、一定期間内での研修目的の就労に限られる点が特徴です。
医療機関又は薬局に招へいされることとは
この要件は、薬剤師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士として医療ビザを取得する場合に適用される条件です。
これらの資格で医療ビザを取得する際は、受入先(招へい機関)が医療機関または薬局であることが求められます。一方で、これら以外の職種については、必ずしも医療機関や薬局に限定されず、民間企業が受入機関となることも可能です。
報酬について
報酬額については細かな基準がありますが、重要なのは、外国人であることを理由に日本人より低い報酬を設定してはならないという点です。そのため、医師や歯科医師などの同じ職種に従事する日本人と同等以上の基準で報酬が支払われていれば、この要件は満たしていると考えられます。
医療ビザの必要書類、手続きの流れ、注意点
必要書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 証明写真
- 返信用封筒
- 医療資格証明書(免状又は証明書等の写し)
- 勤務する機関の概要を明らかにする資料(医師・歯科医師の場合は除く)
例:薬局開設許可証など
手続きの流れ<在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)の場合>
- 医療ビザの条件確認(医療に係る業務に従事する活動であるか等を確認)
- 必要書類の準備(申請書の作成および添付書類の準備)
- 入管へ申請(雇用先の所在地を管轄する出入国在留管理局へ申請)
- 審査・COE交付(許可の場合、在留資格認定証明書が交付される。交付日から3か月以内に入国が必要)
- COEの送付・査証申請(申請人へCOEを送付し、在外公館で査証申請)
- 来日・在留カード受領(査証発給後に来日し、在留カードを受け取り活動開始)
手続きの流れ<在留資格変更許可申請(国内での切替)の場合>
- 医療ビザの条件確認(医療に係る業務に従事する活動であるか等を確認)
- 必要書類の準備(申請書の作成および添付書類の準備)
- 入管へ申請(申請人本人が住所地を管轄する出入国在留管理局へ申請)
- 許可・在留カード受領(許可後、新しい在留資格の在留カードを受領し活動開始)
医療ビザの注意点
- 医療に関する資格であっても、14種類に含まれない資格で医療業務に従事する場合は、医療ビザの対象とならないため注意が必要です。
- 資格を有していても、資格がなくても行える医療関連業務に従事する場合は、医療ビザの取得対象外となることがあります。
- 医師資格を有する外国人であっても、日本の公私の機関との契約に基づき、研究所で研究業務のみに従事する場合は、医療ビザではなく研究ビザが適用されます。
- 臨床修練は医療ビザの対象外となります。なお、臨床修練とは外国医師または外国歯科医師が厚生労働大臣の許可を受けて行う臨床現場での医療研修を指します。
Q&A
医療ビザがあればどの医療業務でも働けますか?
いいえ。原則として当該資格に基づく「独占業務」を中心に従事していることが求められます。独占業務以外の業務が主となる場合は、在留資格該当性が問題となる可能性があるため注意が必要です。
医療ビザで複数勤務は可能ですか?
可能です。医療ビザは資格に基づく業務であれば複数の医療機関等での勤務も認められます。ただし、その場合は所属機関に関する届出や在留期間更新時の申告に漏れがないよう注意が必要です。また、届出や申告内容に不備がある場合、将来的な在留期間更新や永住申請に影響を及ぼす可能性があります。
医療ビザから他の在留資格へ変更することはできますか?
はい、在留資格変更許可申請により他の在留資格へ変更することは可能です。例えば、学歴・職歴・収入などの要件を満たす場合には、「高度専門職1号ロ」への変更が認められるケースもあります。高度専門職はポイント制に基づく高度人材向けの在留資格であり、永住許可要件の緩和や在留期間の優遇などのメリットがあります。
先生のひとこと
医療ビザは、日本の医療資格14種類のいずれかを有し、その資格に基づく独占業務に主に従事することが取得のポイントとなります。
実務上は、医療機関を複数勤務するケースも少なくありませんが、その場合には入管法上の所属機関に関する届出義務が発生します。この届出を怠ると、在留期間更新や永住申請の際に不利益となる可能性があるため注意が必要です。
このように、資格要件を満たしていれば比較的取得しやすい在留資格ではある一方で、複数勤務時の届出管理、さらには高度専門職1号ロへの変更など、就労形態やキャリアによって検討すべき論点も存在します。
困ったときには、どうぞお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
代表行政書士
山 中 健 司
Kenji Yamanaka- 所属団体:日本行政書士会連合会、大阪府行政書士会
- 登録番号:第11261315号
- 登録資格:特定行政書士/申請取次行政書士
-
大阪出身。在留資格や帰化申請、化粧品・医薬部外品許可申請などを中心にサポート。依頼者との出会いを大切にし、「出会えてよかった」と思ってもらえる関係づくりを大事にしています
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