富山県にお住まいの日本人男性から結婚ビザ申請のご依頼を受けました。
フィリピン人妻が短期滞在ビザで来日中であり、日本とフィリピンでの結婚手続きが完了し、そのまま日本で一緒に暮らしたいため、フィリピン人妻の結婚ビザを取得したいという事例です。
このご夫婦は、奥様が日本滞在中に出会い交際を続けたすえに結婚に至っております。またご主人より、奥様が短期期滞在ビザで来日し難民認定申請を行い就労不可の特定活動ビザへ変更していた過去やご主人と交際されていた時期に別の日本人男性と結婚していた過去があると聞いており、困難が予想される申請でしたが、さらに奥様が嘘をついていたことが発覚し結果として不許可になったケースです。
今回は、趣向を変えて弊所に結婚ビザのご依頼を頂いたものの不許可となったケースをご紹介します。
ご夫婦の結婚ビザ申請の内容
出会いから結婚ビザ申請までの経緯
2017年10月
フィリピン人妻が日本滞在中に東京都内にある飲食店にて日本人夫と出会う
2017年11月
日本:2021年3月
フィリピン:2021年3月
2021年4月
結婚ビザの申請書類一覧表
ご夫婦に関する資料
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 質問書
- 在留資格認定証明書交付申請理由書
- パスポートの写し
- 戸籍謄本
- 結婚証明書に関する補足説明書
- 結婚証明書及び日本語訳文
- 領収書の写し
- 身元保証書
- 住民票
- 在職証明書
- 令和2年度市・県民税所得課税証明書
- 令和2年度納税証明書
- 平成31年度納税証明書
- 残高証明書
- 夫婦の写真
- 夫婦のチャット履歴
その他の資料
- 宣誓書2通
- 反省文
- 嘆願書
- 返信用封筒
- 申請書類について
プロの視点でチェック
結婚ビザ申請のポイント
- 特になし
- 両国の結婚証明書がない
- 夫婦ともに海外在住
- 出会ってから結婚までの期間が1年以下
- ネットのやり取りだけで直接会ったことがない
- 20歳以上年齢差がある
- 離婚歴に不安要素がある
- 出会い方に不安要素がある
- 夫婦の収入が少ない
- お互いの家族が結婚のことを知らない
- 夫婦が日本で別居
- 2人だけでコミニュケーションが取れない
- 法律違反あり
- 過去のビザ申請で嘘の記載がある
- 過去に結婚ビザ申請が不許可になっている
- その他
その他(不許可の原因について)
今回の申請において、不許可の原因として「離婚証明書がない」「過去の申請歴が無しになっている」「過去の結婚歴や在留歴から考えて偽装結婚の疑いを捨てきれない」が主な不許可理由でした。
離婚の証明書がないについて
通常で考えれば結婚ができている=離婚が成立していると考えられますが、国際結婚の手続き上、重婚が不可能ではないため、前夫と完全に離婚していることを証明する「離婚の証明書」を求められてしまいました(※通常では、離婚歴があっても「離婚の証明書」は求められませんが、今回はフィリピン人妻の結婚歴や在留歴から偽装結婚を疑われたため「離婚の証明書」を求められたようです)
過去の申請歴が無しになっている
今回の申請にあたり、フィリピン人妻に前夫と結婚していた際に在留資格認定証明書交付申請をしていたことがあるか?という質問をしたところ「ない」という回答を頂いておりましたが、実際には過去に申請していた経歴があったとのことでした
過去の結婚歴や在留歴から考えて偽装結婚の疑いが捨てきれない
今回の申請にあたり、フィリピン人妻が短期期滞在ビザで来日し難民認定申請を行い就労不可の特定活動ビザへ変更していた過去や日本人夫と交際していた時期に別の日本人男性と結婚していた過去、さらには就労不可の特定活動ビザを取得していた際に不法就労していた過去、別の日本人男性と結婚していた際に結婚ビザ申請をしていた過去、その後結婚ビザ申請が不許可になりさらに難民認定申請を何度も行っていた過去などが影響し、総合的な判断から不許可となったとのことです。
先生のコメント
結婚ビザでは過去の結婚歴や在留歴を隅から隅まで調べられます。そのため、配偶者が隠していた嘘を不許可の際に伝えられることも…。日本人同士であれば、婚姻届を提出してしまえばおしまいですが、日本人と外国人の国際結婚の場合はそうはいきません。今回のお客様は、この後、連絡が不通となってしまい、残念ながら再申請のお手伝いはできませんでした。
関連リンク
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