長野県にお住まいの日本人男性から結婚ビザ申請のご依頼を受けました。
永住者の配偶者等ビザで来日中のフィリピン人妻との日本での結婚手続きが完了したため、フィリピン人妻のビザを結婚ビザへ変更したいという事例です。
このご夫婦は、奥様が働いていた飲食店にご主人が訪れたことがきっかけで出会い交際を続けたすえに結婚に至っております。また、奥様は約4年前に在日フィリピン人の夫(永住者ビザ)と結婚するために永住者の配偶者等ビザで来日していましたが、前夫との離婚を機に現在のご主人と交際を始めたという過去や短期滞在ビザで来日し約2年間不法滞在していた過去があり、いかに「偽装結婚ではないか?」という疑惑を吹き飛ばすかが申請の大きな鍵でした。
過去の不法滞在歴やフィリピン人の前夫と離婚してからすぐに日本人の夫と結婚しているとなると、どうしても「日本にいたいがために偽装結婚したのではないか?」と疑われるのはやむを得ません。
ご夫婦の結婚ビザ申請の内容
出会いから結婚ビザ申請までの経緯
2017年6月
日本人夫が長野市内にある飲食店にて従業員として働いていたフィリピン人妻と出会う
2018年1月
日本:2018年12月
フィリピン:未手続
2019年2月
結婚ビザの申請書類一覧表
ご夫婦に関する資料
- 在留資格変更許可申請書
- 質問書
- 質問書(別紙)
- 申請理由書
- 反省文
- パスポートの写し
- 在留カードの写し
- 戸籍謄本
- 結婚証明書に関する補足説明書
- 身元保証書
- 住民票
- 在籍証明書
- 平成30年度所得・課税・扶養証明書
- 平成30年度納税証明書
- 残高証明書
- 夫婦の写真
- 夫婦のチャット履歴
その他の資料
- 在留資格変更許可申請書類について
プロの視点でチェック
結婚ビザ申請のポイント
- 特になし
- 両国の結婚証明書がない
- 夫婦ともに海外在住
- 出会ってから結婚までの期間が1年以下
- ネットのやり取りだけで直接会ったことがない
- 20歳以上年齢差がある
- 離婚歴に不安要素がある
- 出会い方に不安要素がある
- 夫婦の収入が少ない
- お互いの家族が結婚のことを知らない
- 夫婦が日本で別居
- 2人だけでコミニュケーションが取れない
- 法律違反あり
- 過去のビザ申請で嘘の記載がある
- 過去に結婚ビザ申請が不許可になっている
- その他
両国の結婚証明書がない
結婚ビザ申請の場合は、提出書類として「日本人の方の戸籍謄本(全部事項証明書)」「申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書」が求められています。今回の場合は、フィリピン人妻と前夫のフィリピン側の離婚手続きが終わっておらず、現状フィリピン側の婚姻手続きを行うことができないため、日本側の結婚証明書のみを提出しています(※過去、フィリピン人配偶者が離婚手続きを終えていない状況でも結婚ビザの許可を頂くことはできましたが、現在では状況が変わっていますので同じ状況で許可を頂けるとは限りません)
離婚歴に不安要素がある
離婚歴が複数回ある場合は、相手の国籍や婚姻期間によって偽装結婚を疑われる場合があります。その他にも、離婚をしてすぐに再婚をしている場合も偽装結婚を疑われる可能性が高くなりますのでご注意ください。
法律違反あり
日本に入国後、決められた在留期間内に出国せず日本にとどまっていることを「不法滞在(オーバースティ)」と言います。不法滞在をしていて見つかったら強制的に出国させられてしまい、その後決められた期間(もしくは永久に)日本に入国することができません。今回の場合は、不法滞在後に帰国したのが前夫との結婚前であり、永住者の配偶者等ビザで来日していることから不法滞在歴はそれほど問題視されないと判断し申請に臨みました。
その他(配偶者に関する届出を遅れて提出していた)
配偶者と離婚又は死別した家族滞在、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等の在留資格を有する中長期在留者は事由が生じた日から14日以内に「配偶者に関する届出」を出入国在留管理局に行わなければなりません。今回の場合、フィリピン人妻が手続きを行ったのが前夫との離婚手続きから約4か月後だったため、その旨を反省する文章を理由書に追記しています。
先生のコメント
なかなかヘビーなご依頼でしたがいかがだったでしょうか?通常では、結婚ビザで来日し離婚した場合、国に帰るか別のビザへ変更しなければなりませんが、新たに別の人間と結婚し、結婚ビザへ変更(結婚ビザを維持)するという方も中にはいらっしゃいますね。
関連リンク
ページ番号:S-00003113