神奈川県にお住まいの日本人女性から定住者ビザ申請のご依頼を受けました。
約10年前に結婚したペルー人の夫の連れ子(19歳)が来日を希望しており、連れ子のビザを取得したいという事例です。
今回の場合、連れ子は19歳であり、日本生まれではありますが3歳の時に帰国し、以降、父と15年以上離れて暮らしているというになります。現在、ご依頼者様は家族3人暮らしをされております。世帯年収は250万円と少ない金額ですが、これはご主人が病気をされて休職、奥様にも事情があってパートタイマーでしか働けなかったからであり、貯金額が約1,000万円あったため、厳しいながら許可になる可能性があると判断し、ご依頼をお受けすることに致しました。
今回の定住者ビザ申請の問題点としては、以下の4点になります。
① 連れ子が19歳であること
② 外国人父と連れ子が15年以上離れて暮らしていること
③ 世帯年収が少ないこと
④ 過去に申請し不許可になっていること
定住者ビザ申請の内容
定住者ビザ申請に至るまでの経緯
1995年9月
ペルー人母とペルー人父の間に生まれる(※日本で誕生)
1998年3月
ペルー人母と共にペルーへ帰国(※ペルー人父は日本に残る)
2003年8月
ペルー人父が日本人女性と再婚
2013年9月 申請
2013年12月 不許可
2015年6月
申請書類一覧表
申請人に関する資料
- 在留資格認定証明書交付申請書
- パスポートのコピー
- ペルー国の出生証明書及び日本語訳文
- 出生届書記載事項証明書
- 申請理由書
- 家族の写真
- 親子のチャット履歴
身元保証人に関する資料
- 身元保証書 2名分
- 住民票
- 戸籍謄本
- 在職証明書 2名分
- 市民税・県民税所得課税証明書 2名分
- 残高証明書 2名分
その他の資料
- 在留資格認定証明書交付申請書類について
- 返信用封筒
プロの視点でチェック
定住者ビザ申請のポイント
- 特になし
- 実質的な婚姻期間が3年以下
- 安定した収入がない
- 日本人の実子がいない
- 日本人の実子の親権・監護権がない
- 日本人の実子を養育していない
- 14日以内の届出をしていない
- 海外の親権証明書がない
- 海外の扶養証明書がない
- 17歳の誕生日を過ぎている
- 法律違反がある
- 過去のビザ申請で嘘の記載がある
- 身元保証人の保証力に不安がある
- その他
17歳の誕生日を過ぎている
連れ子が高校に入学するような年齢(15歳~)である場合、親と一緒に過ごす必要がある年齢ではないと判断されるため審査が厳しくなる傾向にあります。また、成人に近いほど労働目的(金銭目的)を疑われる傾向が強くなっていきます。今回の申請にあたり、現在まで定住者ビザを申請していなかった理由や連れ子が成人に近い年齢でありながら日本で一緒に暮らしたい理由を丁寧に説明するとともに、家族一緒に暮らすことが一番の目的であり労働目的(金銭目的)ではないということを申請理由書で丁寧に記載いたしました。
身元保証人の保証力に不安がある
今回の申請にあたり、ご主人の年収が150万円、奥様の年収が100万円と世帯年収が少ない点が問題となっていましたが、世帯年収が少ない理由を丁寧に説明するとともに、ご主人が働き始めたため世帯年収が回復する見込みがあること、今まで貯めてきた貯金が約1,000万円があり、連れ子が来日しても生活に問題がないことを申請理由書で丁寧に記載いたしました。
先生のコメント
今回の申請の場合は、かなり難易度の高い申請でしたがしっかりと審査のポイントを押さえた申請書類を作成することで無事に連れ子を呼ぶことができました。
※このご依頼を頂いたのは約8年前のことであり、現在では19歳の連れ子の定住者ビザを取得することはできません。また、審査基準も厳しくなっており、上記の書類の他に、送金記録や来日後のスケジュール、来日後に通う学校の資料などを求められる可能性が高いです。
関連リンク
ページ番号:S-00002923