兵庫県にお住まいの中国人女性から特定活動ビザ申請のご依頼を受けました。
約10年前に来日し、現在は中国人の夫と子供の家族4人で暮らしているが、中国で暮らしている母親が高齢になり生活に支障がでてきたため、日本に呼んで一緒に生活しながら母親の介護を行いたいという内容です。
今回の申請にあたり、申請人である母親の年齢は72歳、狭心症や不整脈、及び急性脳梗塞を患っており、入退院を繰り返しているという状況でした。また、今回の依頼者の方は、家族四人で暮らされており、世帯年収が約900万円と母様を養うには問題のない収入状況でした。今回の申請に当たり、入退院を繰り返しているものの日常生活を送れる状態であるという点で不許可になる可能性が高い申請でしたが、ご依頼者の方の強い希望もあり申請を進めさせていただきました。
今回のご夫婦の場合、可能であれば特定活動告示34号(高度専門職の親)の申請を進めたいところですが、子供が2人とも10歳以上のため不可能でした。
特定活動ビザ申請の内容
特定活動ビザ申請に至るまでの経緯
1978年01月 結婚
1980年05月 第一子(長女)誕生
2003年03月 夫死亡
2003年09月 長女が渡日
2023年9月
申請書類一覧表
申請人に関する資料
- 在留資格変更許可申請書
- 【別紙】扶養者について
- 在留資格変更許可申請理由書
- パスポートの写し
- 戸口簿の写し
- 親族関係公証書及び日本語訳文の写し
- 死亡公証書及び日本語訳文の写し
- 入退院記録及び日本語訳文の写し
身元保証人(申請人の娘夫婦)に関する資料
- 身元保証書
- 住民票
- 履歴事項全部証明書
- 市民税・県民税 課税証明書
- 納税証明書
- 全部事項証明書(土地・建物)
- 預金通帳の写し
その他の資料
- 嘆願書
- 申請書類について
プロの視点でチェック
特定活動ビザ申請のポイント
- 特になし
- 告示外特定活動である
- 申請にあたり不安な要素がある
- 申請人に法律違反がある
- 身元保証人の保証力に不安がある
- 過去のビザ申請で嘘の記載がある
- その他
告示外特定活動である
現在の法律上では海外在住の両親を日本に呼びよせて一緒に暮らすためのビザは存在しません。ただし、あくまでも人道的な措置として、高齢の親を呼ぶために特定活動ビザ(老親扶養)を申請できるという現状です。特定活動ビザ(老親扶養)の申請条件としては「親が70歳以上であること」「親の面倒をみれる親族が本国にいないこと」「親を扶養できるだけの経済力があること」などが挙げられますが、すべての条件をクリアしていても必ず許可が下りるとは限らず、総合的な判断により審査されることになります。
申請にあたり不安な要素がある
今回の申請にあたり、中国の病院の診断書と入退院記録を提出し、母親が一人で生活することが難しいことを丁寧に説明いたしました。
先生のコメント
特別な事情があると認められない
要因1:母の年齢(72)、病状(狭心症、不整脈、急性脳梗塞)ではまだ要件を満たしていない。
今回の申請の場合は「日本には親を扶養するビザが存在せず、特別な事情があれば降りるがそれも不十分である」という理由で、力及ばず不許可になってしまいました。入管の方にお話を伺ったところ、数年前までは今回の申請人のような方でも老親扶養のビザが下りたことはあったが、老親扶養のビザ申請が増えたこともあり、年々、審査基準が厳しくなっているとのことです。
関連リンク
ページ番号:S-00004781