一人っ子の帰化中国人が70代の両親の介護を日本でするための老親扶養の特定活動ビザ申請【不許可事例】

東京都にお住まいの日本人女性（元中国国籍）から特定活動ビザ申請のご依頼を受けました。

約10年前に帰化申請を行い、日本人として日本で暮らしているが、中国で暮らしている両親が高齢になり生活に支障がでてきたため、日本に呼んで一緒に生活しながら二人の介護を行いたいという内容です。

今回の申請にあたり、申請人である父親の年齢は75歳、母親の年齢は72歳、ともに無職であり、父親は認知症、母親はメニエール病で生活が厳しいという状況でした。また、今回の依頼者の方は、1人暮らしをされており、年収が約1,000万円とご両親を養うには問題のない収入状況でした。という点で不許可になる可能性が高い申請でしたが、ご依頼者の方の強い希望もあり申請を進めさせていただきました。

担当者

ご両親が二人とも健在である場合、二人とも日本に呼ぶとなると相当厳しい審査となります。

注意

個人を特定できないよう多少の修正や加工を施しております。

特定活動ビザ申請の内容
- 特定活動ビザ申請に至るまでの経緯
申請書類一覧表
プロの視点でチェック

特定活動ビザ申請の内容

特定活動ビザ申請に至るまでの経緯

申請人夫婦の経歴

1977年08⽉　結婚

1979年05⽉　長女誕生

特定活動ビザ申請

2023年8⽉（1回目）

2024年3月（2回目）

申請書類一覧表

申請人夫婦に関する資料

在留資格変更許可申請書（2 名分）
在留資格変更許可申請理由書
パスポートの写し
親族関係を証明する資料
・親族関係公証書
・親族関係公証書の翻訳文
・婚姻関係公証書
・婚姻関係公証書の翻訳文
・一人っ子証明書
・一人っ子証明書の翻訳文
・戸籍謄本
申請人の持病に関する資料
・中国の病院の診断書（2 名分）
・中国の病院の診断書の翻訳文（2 名分）
・日本の病院の診断書（2 名分）

身元保証人（申請人夫婦の長女）に関する資料

身元保証書 2 通
住民票
在職証明書
特別区民税・都民税課税（所得）証明書
特別区民税・都民税納税証明書
所有不動産に関する資料
・全部事項証明書
・物件見取り図の写し
残高証明書
自宅の写真

その他の資料

嘆願書
申請書類について

プロの視点でチェック

特定活動ビザ申請のポイント

特になし
告示外特定活動である
申請にあたり不安な要素がある
申請人に法律違反がある
身元保証人の保証力に不安がある
過去のビザ申請で嘘の記載がある
その他

先生の解説

告示外特定活動である

現在の法律上では海外在住の両親を日本に呼びよせて一緒に暮らすためのビザは存在しません。ただし、あくまでも人道的な措置として、高齢の親を呼ぶために特定活動ビザ（老親扶養）を申請できるという現状です。特定活動ビザ（老親扶養）の申請条件としては「親が70歳以上であること」「親の面倒をみれる親族が本国にいないこと」「親を扶養できるだけの経済力があること」などが挙げられますが、すべての条件をクリアしていても必ず許可が下りるとは限らず、総合的な判断により審査されることになります。

先生の解説

申請にあたり不安な要素がある

今回の申請にあたり、ご両親が二人とも健在であったことから、中国の病院の診断書、日本の病院の診断書などの資料を提出し、両親ともに持病があり、二人で協力して生活することが難しいことを丁寧に説明いたしました。