68歳の父親と日本で一緒に暮らすための老親扶養の特定活動ビザ申請【不許可事例】

東京都にお住まいの中国人女性から特定活動ビザ申請のご依頼を受けました。

現在、中国人の夫(永住者)と共に日本で暮らしているが、中国で養父が一人暮らしをしており、持病もあり一人で生活を送ることが困難になってきたため、日本に呼んで一緒に生活を送りたいという内容です。

今回の申請にあたり、申請人である養父の年齢は68歳、無職、持病の糖尿病ありという状況でした。また、今回の依頼者の方は、夫婦共働きをされており、世帯年収が約1,000万円と養父を養うには問題のない収入状況でした。依頼者の方の日本への定着性が弱い点と養父の年齢がまだ60代という点で不許可になる可能性が高い申請でしたが、ご依頼者の方の強い希望もあり申請を進めさせていただきました。

担当者

老親扶養ビザは法律上存在しておらず、要件がない告示外のビザになりますので、もっとも難しいビザの一つとされています。

注意

個人を特定できないよう多少の修正や加工を施しております。

特定活動ビザ申請の内容
- 特定活動ビザ申請に至るまでの経緯
申請書類一覧表
プロの視点でチェック

特定活動ビザ申請の内容

特定活動ビザ申請に至るまでの経緯

申請人の経歴

2009年06月　依頼者と養子縁組

特定活動ビザ申請

2023年11月（1回目）

申請書類一覧表

申請人に関する資料

在留資格変更許可申請書
扶養者について
在留資格変更許可申請理由書
パスポートの写し
養親子関係を証明する資料
・公証書及び日本語訳文
・養子縁組登記証及び日本語訳文の写し
・養親子の写真
申請人の持病に関する資料
・診断証明書及び日本語訳文
・処方箋及び日本語訳文の写し

身元保証人（申請人の養子、申請人の養子の配偶者）に関する資料

身元保証書　2通
住民票
在職証明書　2通
特別区民税・都民税課税（所得）証明書　2通
特別区民税・都民税納税証明書　2通
所有不動産に関する資料
・全部事項証明書
・物件見取り図の写し
残高証明書　2通
パスポートの写し　2通
在留カードの写し　2通

その他の資料

申請人の居住スペースに関する資料
嘆願書
申請書類について

プロの視点でチェック

特定活動ビザ申請のポイント

特になし
告示外特定活動である
申請にあたり不安な要素がある
申請人に法律違反がある
身元保証人の保証力に不安がある
過去のビザ申請で嘘の記載がある
その他

先生の解説

告示外特定活動である

現在の法律上では海外在住の両親を日本に呼びよせて一緒に暮らすためのビザは存在しません。ただし、あくまでも人道的な措置として、高齢の親を呼ぶために特定活動ビザ（老親扶養）を申請できるという現状です。特定活動ビザ（老親扶養）の申請条件としては「親が70歳以上であること」「親の面倒をみれる親族が本国にいないこと」「親を扶養できるだけの経済力があること」などが挙げられますが、すべての条件をクリアしていても必ず許可が下りるとは限らず、総合的な判断により審査されることになります。

先生の解説

告示外特定活動である